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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
Episode of Tabasa 臆病者-オリヴァン-part1/変心する嫡子
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通えないほどの、名門中の名門、故にこれまでの歴史の中であらゆる優秀なメイジたちを輩出し続けてきた。オリヴァンの屋敷はこの学院からはそれほど離れていない街の一角にあり、街から遠く離れたトリステイン魔法学院と異なり自宅から通学をする学生もいる。
タバサはシルフィードを通学には敢えて使わなかった。通学に彼女の瀬を借りるとオリヴァンの不審な動きを読めないので、街の上空で待機させている。万が一ごく最近まで引きこもっていたというオリヴァン、またはその周囲に妙な動きが見られた場合の対策だ。
リュティス魔法学位の前庭につく三人。トリステイン魔法学院はすでに長期休暇の期間だが、この学院は休暇をとっている期間の時期も長さも異なるためか、授業をその日も行うこととなっているようだ。
「護衛ご苦労さん。後は僕だけでなんとかしよう」
オリヴァンは軽く礼を言うと、校舎の方へと歩き出す。すると、周囲の学院の生徒たちはオリヴァンの姿を見て、数人ほどの男子生徒たちが近づいてきた。
「おやおや!誰かと思ったら泣き虫オリヴァンじゃないか!」
「最近学院に来ないもんだから僕たち心配してたんだぜ!」
嘘だ。全く心配しているような顔をしていない。タバサとキュルケは揃ってそう思った。
「遊び相手がいなくなってさ…困ってんたんだよ?今日の授業は組み手の予定だしさ、お前がサボっていた分の稽古をつけてやるよ」
「お、いい考えだな!」
ルイズを落ちこぼれ扱いする連中と同じ目だ。相手の尊厳を根本的に否定している卑劣な目。自分はまだいい方だ、とは思っていたが、自分もあんな連中と同じ目をしていると思うと、キュルケは不思議と自分に対しても嫌悪感に近いものを覚えた。こうして、一方的に一人の人間を追い詰めるのは、こうして傍から見ると恥ずかしいことこの上ない。
それに気づくことなく、生徒たちは以前どおりオリヴァンに対する卑劣な行為に及ぼうと杖を構えている。本来こんな光景を白昼堂々としている光景を見れば、教師はすぐにやめるように警告を入れて生徒に厳重注意を呼びかけるものだが、この学院の生徒たちの親たちは、ガリア王国でも指折りの有力貴族ばかり。説教をしたところで、万が一生徒の親がその一人だったとしたら、たとえ教師でも『我が子を侮辱された』というありもしない言いがかりを突きつけられてしまうのだ。だから面倒ごとを避けるために見てみぬふり。教師の風上に置くべき教師が一人としていなかった。
圧倒的権力、それ以前にオリヴァンよりも優れていると自負している魔法の力、そして臆病なオリヴァン。彼らいじめっ子たちはそれらを盾に、間違った方向へ向かっている。このような腐敗の側面は、トリステインだけではない。やはりこのガリアでも同様だったのだ。
「タバサ、どうするの?あいつら、オリヴァンを…」
「…」
キュルケがタバサの意
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