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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
Episode of Tabasa 臆病者-オリヴァン-part1/変心する嫡子
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サの手伝いを志願した以上、途中下車をするつもりはない。
「はい…今年の春に入学してからずっとこの調子で…」
アネットも女性だ。部屋に篭らせた悪臭は生理的に受け付けられない。それも含めて部屋の掃除を一人のメイドとしてこなしておくべきとは思うが、肝心の部屋の主がこれではたまらない。
「どいて」
タバサは二人にどくように言う。彼女の手には、杖がしっかり握られている。もしやと思ってキュルケとアネットは慌てた。
「ちょ…タバサ!?それはいささか強引じゃない!?」
「そ、そうですわ騎士様!これがもし奥様たちにばれてしまったら、騎士様もただでは済まされなくなってしまいます!」
しかし、タバサは手を休めようとしない。すでに詠唱を始め、風魔法エアハンマーで扉をこじ開けてしまおうとしていた。せめてコモンマジックのアンロックで穏やかに行こうとすべきじゃないのか?
しかし、意外なことが起こった。鍵がかちゃりと音を立てて解除され、オリヴァンの部屋の扉が開かれたのだ。一人でに扉は開かれ、その部屋の全貌が見える。
「あれ…?」
アネットはその光景に違和感を感じた。オリヴァンの部屋は、最後に見たときはほとんど片付いていない有様だった。食い散らかされた食器や、チェスのボードと駒、ワインの瓶が散乱していたはず。しかしそれら全てがちゃんと、床の上やテーブルの上で並べられたり棚に片付けられていたりしていた。
あれだけ散らかっていたのが嘘のように、部屋は綺麗に片付いていた。
「いやぁ、すまないなアネット。少しでもお前の負担を減らそうって思って一人で片付けもしててね。後は窓を開けて新鮮な空気を取り入れれば…」
部屋の置くから、丸々太った少年が顔を出してきた。この人物がオリヴァン少年のようだ。年齢については自分たちと変わらないか1歳程度の歳の差に見受けられる。しかし、引きこもっていたと聞いていたわりに、爽やかな表情を浮かべているではないか。
「ん?お客人かい?」
「え、あ…はい。ガリア花壇騎士のミス・タバサ様とそのご友人、ミス・ツェルプストー様です。お坊ちゃまを学院に通わせろと旦那様たちからのご依頼でここに」
オリヴァンの予想外な姿にアネットはポカンとしたが、すぐオリヴァンから問われた質問に、タバサたちを紹介した。
「ああそうか…確かに入学してから僕は学院に通わずにいたから父上たちが…。すまなかったねアネット」
「ぼ、坊ちゃまが謝るなんて!滅相もございませんわ!」
アネットは突如のオリヴァンからの謝罪にかなり動揺した。
「さて、明日に備えて学院に通う準備をしなくちゃな…。アネット、早速出悪いけど他の者たちと一緒に風呂の準備と部屋の掃除を頼む。こんな臭いが体に染み付いてたら、また笑い者にされるだろうからね。その間は書庫で出遅れた分を勉強しておくよ」
「は、はい!か
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