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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
Episode of Tabasa 臆病者-オリヴァン-part1/変心する嫡子
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首をかしげた。これにはタバサとキュルケも顔をしかめた。特にキュルケが露骨だった。
「…手を出すなといったのはあなた」
「ええ。間違いなくあんたはあたしたちに手を出すなって言ってたわよ。それなのに人のせいにして恥ずかしくないのかしら?」
「そ、そんな口を利いていいと思っているのか?僕はド・ロナル家の跡継ぎなんだ。父上に言ってお前たちを縛り首にしてやれるんだぞ!」
「たかが子供の喧嘩で動くわけ無いでしょ?それに、スクウェアクラスの魔法を使っておきながら平民に負けたあなたの方がやばいんじゃなくて?」
「ぐ…!!」
キュルケの言うとおりだった。アルベールたち相手ならまだ良かったのだが、グレンは魔法を一切使ってこなかった少年一人に…魔法を全てかわされ、敗北した。スクウェアメイジの力を持つ癖にこの結果では、寧ろオリヴァンはちくったところで、家の恥さらし扱いされかねない。
「ま、自業自得ね。それに今回の諍いもあたしたちの任務とは関係ないことだし。本来はあくまで、あんたを学院に通わせろってことだけだったんだから」
「…くそ!!」
オリヴァンは結局何も言い返す言葉が見つからず、踵を返して屋敷の方へ帰っていった。結局この諍いは、オリヴァンもアルベールたちも、どちらも勝者になることはないという予想外のオチとなった。
「いいのかよ、あの坊ちゃん怒らせて」
「『怒らせてはいけない』とは言われてないから」
それはそうだろうが…と今のタバサの一言になんともいえない奇妙なものを覚えるグレン。
「けど、怪しいと思う」
タバサは、グレンなら信頼に値するかもしれないと判断し、オリヴァンのことを話した。ごく最近までドットメイジで、それもいじめが原因で屋敷に引きこもっていたにもかかわらず、突然スクウェアメイジに覚醒しいじめっ子たちを圧倒したこと。
「なるへそ…だから、必要以上に滞在してたってわけか」
話を聞いてグレンはきな臭さを覚えた。
「うし、決めた!俺も混ぜてくれや!」
「え!?」
これを聞いて二人は目を見開いた。
「けど、あたしたち払えるお金なんてないわよ?」
「おいおい、あの時も言ってたろ?俺たちは、自由を愛する炎の空賊だぜ?それによ…」
「何か…?」
「聞こえるんだよな……連中の、自由を穢すクズどもの息遣いが」
そのときのグレンの顔は、軽さなど微塵も感じさせない…一人の戦士の顔をしていた。




結局、半ば強引にグレンはタバサたちのパーティメンバー入りをし、彼女らとともにオリヴァンの屋敷を訪れることになった。出迎えてきてくれたアネットは一人連れが増えていることを気にした。
「あの、部外者の方は…」
貴族の屋敷もそうだが、他人の家にそうやすやすと入っていいものではない。せめて招くにしても事前に連絡を入れてからが常識だ。
「ん?
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