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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
Episode of Tabasa 臆病者-オリヴァン-part1/変心する嫡子
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しい卑劣な笑みを浮かべるアルベールはさも同然のごとく言う。グレンは彼を見て酷く憤りがこみ上げてくるのを感じた。こいつの親は一体どういう教育をしてきたんだ?とばかり思わされてしまう。
「…ばーか。要は自分の立場がなくなることにびびってんだろ」
「なんだと…!」
アルベールはこめかみをひくつかせた。
「僕が雇った傭兵の癖に、僕に逆らうというのか?」
「ご自慢の権力で俺を貶める気が?それとも、あんな子供だましの花火にビビッていたお坊ちゃんの魔法で俺を殺ろうってのか?」
じろり、とグレンはアルベールを睨みつけた。睨みつけられたアルベールはグレンの視線に突き刺され、底知れない恐怖を覚えた。目を見ただけでわかった。こいつには、勝てないことを。
「く、くそ!逆らった以上、給金はやらないからな!それと覚えてろ!いつか僕の家の権力でお前を…」
後ずさりながら、捨て台詞を吐こうとするアルベールだが、沸点の低さもあいまってイライラを溜め込みきったグレンが、目の前の愚かな貴族の御曹司に向けて怒鳴り散らした。
「いいからさっさと失せろやこのくそガキ!!いい加減耳障りなんだよ!!」
「ひぃ…!!」
ついにアルベールはグレンの怒鳴り声に耐え切れず、そのままいずこかへと逃亡した。
「給金なんざ、別にいくらでも稼ぐ手立てはあんだよ。…と、改めて」
逃げ出していったアルベールを追うことなく、肩に棒を担いでタバサたちのほうを振り返る。
「おっひさしぶり!お二人さん、元気してたかい?」
「え、ええ…」
さっきの激怒した表情から一変、子供のような無邪気な笑みを浮かべながら軽い口を叩いてきた。あまりの変わりように、タバサとキュルケは戸惑いを見せる。
「よかったの?あなたの依頼主」
「ああ、別にいいって。あんな連中に頭を垂れる頭なんざねえのは、アルビオンであった時に知ってるだろ?」
タバサからの問いに対してグレンはそう答えた。確かに、彼らは独自の誇りを持ち、自由を何よりも愛すると言っていた。アルベールの脅しにまるで屈しなかったのは、本来の実力と能力からして彼らを超えているだけではない。他者の自由を踏みにじるような言い回しをしたアルベールが単純に許せなかったからだ。
「色々話してみたいことはあるけどよ…そういや、お二人さんは何でここにいんだ?」
グレンはさっき聞きそびれた、タバサたちがここに要る理由を問う。タバサは無言のまま、近くで呆然としているオリヴァンを見る。ああなるほど、とグレンはそれを見て納得した。おそらくあのお坊ちゃんのお守りを任されてしまったのだ、と。
少しの間をおいて、なんとか立ち上がったオリヴァンは、キッと三人を睨みつけて怒鳴り出した。
「どうして、さっき僕を助けなかった!僕に恥を掻かせやがって!」
「あ?」
こいつ何言ってんだ?とグレンは
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