Episode of Tabasa 臆病者-オリヴァン-part1/変心する嫡子
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」
オリヴァンは、杖を眼前にて構え、詠唱を開始する。それに伴い、彼の杖に雷がバチバチとほとばしっていく。おそらくすくウェアクラスのあの魔法…ライトニングクラウドをグレンに放つつもりだ。
「さっきも一発使ったのに…精神力がまだ切れないの!?」
キュルケが驚く中、グレンは繭一つ動かさず、肩に担いだ如意棒を握って身構える。
「食らえ…ライトニングクラウド!!」
オリヴァンは轟音をほとばしらせる豪雷を呼び寄せ、グレンに向けて振り下ろした。これで目の前の生意気な傭兵を丸焼きにしてやれるはずだった。
しかし…。
グレンは咄嗟にファイヤースティックを蹴り上げ、空に向けて放り出す。すると、オリヴァンによって落ちてきた雷はファイヤースティックに辺り、周囲に一瞬の光と轟音を立てた。結果、グレンは傷一つつくことはなかった。
「そ、そそ…そんな!!そんな馬鹿な!!」
オリヴァンは青ざめた。どうしてだ?僕はスクウェアクラスのメイジだ。それなのに、たかが棒一本を担いでいる傭兵の子供なんかに、たかが平民ごときに!!?
魔法を一切使わず、棒を避雷針代わりに蹴飛ばしただけでライトニングクラウドをかわすという荒業で回避して見せるなんて!
「すごい…素敵だわ!!」
キュルケは青くなるオリヴァンをそっちのけで、どこか熱のある目線でグレンを見ていた。表情を変えていなかったが、内心では久しぶりにぶれないキュルケを見たような気がしたタバサであった。
「…もういいや。興が冷めたから…」
グレンはオリヴァンに失望を抱き、ファイヤースティックを放り捨てて一気に駆け出す。目の前にまで一気に接近したグレンにひぃ!と悲鳴を上げたオリヴァンは、拳を振り上げてきたグレンを見て腰を抜かし、杖を落としてしまった。それを見てグレンは手を引っ込め、オリヴァンの杖を拾い上げた。
「貴族の決闘じゃ、杖を落としたら負けなんだよな?これで俺様の勝ちっていいな?」
「あ…」
オリヴァンは我に返った。負けた…。スクウェアにまで上り詰めたというのに、たかが平民、同年代の子供にあっさりと敗れた。
「おい待て。まだ決着はついてないぞ。まだこの泣き虫オリヴァンに、上下関係と言うのもをもう一度叩き込まないといけないんだからな」
そういったのはアルベールだった。もう勝負はついたというのに、格下の存在と決め付けていたオリヴァンを痛めつけないと我慢ならないようだ。グレンははぁ…とため息を漏らし、オリヴァンはアルベールに対する恐怖を思い出し悲鳴を漏らした。
「…もういいだろ。弱い奴いたぶって何が楽しいんだ?」
「楽しい?違うね、これは貴族と平民と言う二つの存在で人間を分けることが必要なように、貴族同士でも…弱者と強者の隔たりが必要なんだよ!そうした方が、弱い奴同士が混在しない分混乱が少ないだろうからね!」
いやら
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