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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
Episode of Tabasa 臆病者-オリヴァン-part1/変心する嫡子
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オリヴァンが、弱者をいたぶっているようであった。
すると、残っていた学生の一人、アルベールが茂みの方を向き、叫び出した。
「お、おい傭兵!何をしている!早く僕たちを助けろ!」
その呼び出しに答え、草陰から一つの人影がひょいと顔を出した。
「なんだよ…傭兵だって?はっ。たかがならず者なんかに、今の僕に勝てるわけ無いじゃないか」
「新手…」
オリヴァンを学院に通わせることが今回の任務。万が一彼に危険が及ぶようなことも避けなくてはならない。タバサは万が一に備え杖を構える。しかし、アルベールの呼び出した傭兵があまりに意外で、予想外すぎる人物であった。
「へいへい…んなにうるさく言わなくたってやってやっから…って…あれ?」
頭をかきむしりながら、肩に長い棒を担ぎながら現れたその男は、タバサたちを見て目を丸くした。
「あなたは…」

「「あああああああああああああああ!!!」」

呼び出された傭兵とキュルケは互いに指差し合って叫んだ。
その傭兵は…なんと…。
「グレン!!?なんであなたがここにいるのよ!」
そう、アルビオンの空を縄張りとしていた、アルビオン王党派と唯一結託し、怪獣を使役するレコンキスタ相手に不利な状況から彼らを一時救い出した炎の空賊団の用心棒、グレンファイヤーことグレンだったのだ!
「いや、あたりに散り散りになった仲間を探すついでに、食い扶持稼ぎのために傭兵家業も始めたんだけどよ…それよか、なんでお二人さんがここにいんだよ!」
思わず担いでいた如意棒を下ろし、グレンは質問を質問で返した。どうやらグレンは、あのアルビオンでの戦いで各地に姿を消した仲間を再び集めるために、それに伴う旅費の稼ぎのために傭兵をやっていたようだ。
「なんだ?お前たち知り合いだったのか?」
オリヴァンは思わぬ展開に目を丸くしていたが、これはこれで好都合だと思った。タバサたちの知り間と言うのなら、別に戦う必要だって無い。まぁ最も、今の自分は無敵だ。負けるわけが無い。
「ふん、知り合いだからって関係ない。やれ」
アルベールは自分の都合を優先させるようにグレンに命令する。アルベールがオリヴァンに仕返しするためにわざわざ雇っていたようだ。
グレンはため息をついた。たかが、ズレた常識に囚われた貴族の坊ちゃん同士の喧嘩じゃないか。今回アルベールに雇われたグレンだが、正直な話乗り気じゃなかった。ただ給金が悪くなかったからたまたま引き受けただけだ。
「待って」
タバサがグレンに声をかける。その真意を察してか、グレンはすぐに応えた。
「ああ、心配すんな。加減するって」
グレンもただの貴族の坊ちゃん相手に本気…、炎の巨人としての姿を見せることは避ける方針だった。あの力を人間相手に使うなんて大人気ないし、最悪自分を人類共通の敵として認知させてしまうこと
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