Episode of Tabasa 臆病者-オリヴァン-part1/変心する嫡子
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あんなに嬉しそうに…」
アネットは上機嫌なオリヴァンを見てほっとした表情を見せていた。あれだけ晴れやかな笑みを見せた主はいつぞやぶりだろうか。
「確かに晴れやか…だけどね」
ぽつりとキュルケは呟く。すると、タバサはくいっと、アネットの服を掴んで振り向かせる。
「き、騎士様?」
「彼は、本当にドットメイジだったの?」
「え、ええ…話で聞く限りでしたが、ドットクラスでしたけど、何か…?」
「…いや、いい。なんでもない」
それだけならまだ良かったかもしれない。オリヴァンがあまりに異常に思えるようになったのは、それから翌日のことだ。
「先日はよくもやってくれたなオリヴァン…!」
「弱虫の癖に、俺たちに恥をかかせやがって!!」
「絶対に許さないぞ!この僕を誰だと思って!」
次の日、いじめっ子たちが一斉に彼に報復しようと、上級生も含めたメイジたちをかき集め、学院の近くにあるサン・フォーリアン寺院に呼びつけたのだ。
いじめっ子たちのグループはすでに20人も集められていた。どうしてここまで集められたのか、大方金で雇ったりなんて真似をしてきたのだろうが…。
「いくらトライアングルクラスのお前にも、この数のメイジを相手には勝てないだろう」
恥を承知の上での選択を自覚しているのかはわからないが、これでいつもどおりオリヴァンをいたぶってやる。すでにオリヴァン以上に見苦しい姿を晒していることに気づかず、いじめっ子たちは杖を構える。
「おいおい、君たち。一つ勘違いしていないか?」
しかし、オリヴァンはちっとも動揺しなかった。その顔にまたしても、いじめっ子たちは弱いものいじめの対称だったはずの格下の相手がまた余裕の態度をかましていることに苛立ちを募らせたが、耳を傾ける。
「僕は確かにトライアングルクラスの魔法を使ったが…だからといっても僕が『トライアングルクラスのメイジ』だということではないんだよ?」
「へ?」
オリヴァンが杖を振るうと、わずか一瞬の光がオリヴァンといじめっ子たちの間の地面に突き刺さり、地面を焼き払うと同時にゴロゴロゴロ!!と轟音を立てた。
「らら、ライトニングクラウド!!?スクウェアクラスの…!!」
「ひ、ひいいいいいい!!!!」
「おいおい何腰を抜かして逃げてるんだよ!僕はまだやり返したら無いぞ!!」
20人近い人数をそろえておきながら、彼らはオリヴァンの魔法に恐れをなして腰を抜かし、一部の者たちは逃げ出してしまう。
(タバサ…)
勝ち誇るオリヴァンの姿を茂みの中から見ていた、キュルケはタバサを見ると、タバサも頷く。今のオリヴァンは、あまりに異常さに満ちている。そんな気がしてならない。周囲の地面や木々が焼けている。これだけの規模の大きい魔法を使った暴行。いじめに対する正当防衛だとしても、これは異常すぎた。寧ろ
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