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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
Episode of Tabasa 臆病者-オリヴァン-part1/変心する嫡子
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らオリヴァンは高笑いした。
「や、やめ…!!」
命乞いのセリフを告げようとしたいじめっ子たちだが、当然オリヴァンは聞き入れなかった。
これまでいじめられてきた恨みを一気に発散するかのごとく、オリヴァンは続けて魔法を放って、最終的にいじめっ子たちを素っ裸の傷だらけの姿に変えてしまった。
「この屑共め!人を散々いじめるようなお前らなんか貴族じゃない!!ただの薄汚い逆賊だ!」
「くそ…覚えてろ!!」
裸にされて、傷だらけにされて倒れたアルベールたちは、悔しげにオリヴァンを睨みつけて立ち去っていった。
キュルケは、オリヴァンの姿を見て顔をしかめていた。確かにいじめていた連中は悪い。だが、今のあのオリヴァンの姿は…果たしていじめの被害者と一概に判断していいのか…と思う。正直な話、サイトやシュウは愚か、ギーシュの方がまだ男としてましに思える印象だった。少なくとも今のオリヴァンの姿は…。
タバサはオリヴァンを見て、いつもどおり沈黙を貫いていた。が、其の目には何かを怪しむ眼光が宿っていた。




授業においても、オリヴァンは教室に入った時、「なんとか病は治ったのか?」と罵声を受けた。不登校になる直前で適当な病気の名前を言ってずる休みをしていたのだろうが、オリヴァンはその罵声に苛立ちを募らせつつも、今に見てろと不敵な笑みを浮かべた。
カリキュラムはトリステインとほとんど変わらない。この日はビーカーに入った水から、タバサも得意とする魔法〈ウィンディ・アイシクル〉を唱えるというもの。タバサほどの実力者なら空気中の水蒸気から作り出せるが、高度な魔法のため、まずはビーカーに入った水で作る。教師から誰かやる人は?という問いに、オリヴァンは遠慮することなく手を上げる。オリヴァンを見てほぼ全員の生徒たちがあざ笑っていた。ドットクラスの弱虫メイジにできるわけがないだろうと。
しかし、驚いたことに無数の矢がビーカーの水どころか周囲の空気中の水蒸気から作り出した水でいくつもの氷の矢を作り出して黒板に手裏剣のように突き刺さり、教師はへなへなとしりもちをついて崩れ落ち、周囲の生徒たちはオリヴァンの覚醒に感嘆した。すごいじゃないか、実はすごいメイジだったのだな、と。オリヴァンはその賞賛の言葉に鼻を高くしていた。


ここ数日、帰宅してからのオリヴァンは上機嫌だった。いじめっ子たちを散々いたぶりつくし、見返したことで清々したに違いない。
「まぁお坊ちゃま、そんなに嬉しそうに。何かいいことあったのですか?」
「あぁ、アネット。最近の僕は実に機嫌がいいんだ。これだけ晴れやかな気持ちになったのは生まれて初めてだよ。さぁ、夕食の準備を他の者たちに用意させろ。お客人たちの分もね」
そう言うと、オリヴァンは制服から私服に着替えるために自室に戻っていった。
「お坊ちゃま、
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