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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第23話:てんてこ舞い……舞ってる暇があるのなら、仕事して下さい
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そして暫くの時間が経過し……
「リュリュ……それが終わったら、この書類を軍務大臣に渡してきてよ。そしてそのまま休憩してきなさい」
「あ、はい殿下」
休憩できると思い、ルンルン気分で出かけるリュリュちゃん。
私はリュリュちゃんが出て行くのを見届けてからティミーに話しかけた。
「ほんと……妹に甘いわね……」
「シスコンだからね……僕は(笑)」
自分で言うな!
「そんな事より」
突如真面目な表情になるティミーは、私を見詰め話しかける。
「先程のリュカ陛下の話だが……どう思った?」
「どうもこうも……時折見せるリュカさんの深慮遠謀話だと思ったわ」
普段がそれだともっと尊敬できるのだけどね。
「アルル……気を付けろよ。父さんの言動を大きく評価する連中は、皆があの人の信奉者だ。妻然り、愛人然り……ユニだって以前に奴隷だったところを父さんに救われたリュカ信者だ。当人の思惑とは関係なく、敬愛するリュカ陛下の行動に正当性を見出す輩だ」
「さ、流石ティミーね……父親の事を、その周囲の事を熟知してるわ」
「感心するな。僕だってリュカ信者の一人なんだぞ。何せ血縁だからね……実の息子だからね!」
おいおい……それじゃ困るだろ。
「君が僕の妻として、リュカ信者とは違う物の考え方をしてもらわないと……」
「何その責任重大任務は!?」
あの人の真意なんか読み切れる訳ないでしょ!
「第二のリュカ陛下にはなれないけど、劣化版リュカ陛下にするのか、それともティミー陛下にするのかは君次第だ。僕はどちらでも構わないし、どちらでもこの国は問題ない」
究極の選択ね……どっちも魅力的だけど……
「君の好みに任せるよ。まぁ生まれてくる子供は、どっちの父親が良いのか判らないけどね」
「じゃ、昔のティミーが良い。チェリーだった頃の馬鹿真面目な
父親
(
ティミー
)
であってほしい!」
妻としてはあの頃のティミーは疲れるだろうけど、子供の教育上は好ましい。
「あの頃の僕はもう居ない。君が僕を大きく変えたんだからね(笑)」
もう居ないかぁ……それは残念だ。
アルルSIDE END
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