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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第二十話 東馬の過去、ミサキの前世
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ら……」
「ああ、母から電話で聞いていた東馬の人となりを思い出していればわかる事だったんだ」
そう、全は……東馬は、自分が悪いと分かっている時には何も言わない。
それは自分が受けるべき罰だという事を理解しているから。
でも、あの年でそれは常軌を逸していたから他の人は畏怖していた。
「そしてそれからというもの……東馬はより一層、訓練に没頭するようになった。私が誘拐された際にも東馬は助けにきてくれた「師匠の娘さんだから」というたったそれだけの理由だけで」
「やっぱり変わってないんですね……助ける理由が一つだけでもあれば、どれだけ罵倒されようが必ず助ける……ホント、変わってない」
「ああ。それからは私も気に掛けるようになって……あの事件が起こった」
「あの事件って?」
「君も知っているだろう?君が直接関わっており……君と東馬が
死んでしまった
(
・・・・・・・
)
事件なんだから」
「っ!?」
そっか、そこからあの事件に繋がるんだ……。
「ま、私が知っているのはこの位。その後は普通に暮らして、天寿を全うして……この世界に転生を果たして、今に至るって訳さ」
「そうなんですか……」
私はベッドの上で眠っている全を見る。
「私は東馬の秘密を知っている……」
「えっ?」
ミサキさんは突然、そう言った。
「それは、君が東馬の事を忘れてしまった事にも関係している」
「っ、教えてください!何なんですか、それって!?」
「……教える事は出来ない。私が教えても意味はないからな。大丈夫だ、信じてさえいれば、東馬の方から教えてもらえるよ」
「ミサキさん……はい、待ちます」
絶対に、話してくれるよね?全……?
私とミサキさんは、あまり長居するのは失礼だと思った為、全の家を後にした。
SIDE OUT
自身の体の深奥にて、全は自身に宿る神、真耶と話をしていた。
「全、あまり心配させるな。危うく運命を操作しそうになったぞ」
「んな事で簡単に運命を書き換えようとするなよ……」
真耶にそんな呆れた言葉をかける全。
「全、私はお前が心配なんだ。お前の身に何かがあったらと思うと……」
「大丈夫だ。お前だって俺の全てを見てきたんだから分かるだろ?」
笑顔でそう言う全。
しかし、それでも真耶は心配でならなかった。
それは神・真耶としてではない、一個人としての心配だった。
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