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乱世の確率事象改変
天と人を繋ぐモノは
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あった。

「俺なら……人を越えた何かに左右される人生ってのは嫌だよ。誰かに天が味方してるなんて御免だ。運命なんてもんがあるってんなら、俺はそれをぶち壊してやりたくなっちまう」

 きっと何処かでこの時すら見ているのではなかろうか……この世界に送り出した腹黒幼女を思い出して、心底うんざりした気分になった。
 与えられた使命があるから戦っている。この世界を壊してしまうのが嫌だから戦っている。自分の為が他人の為。自分の幸せ程度よりも、命使い果たしても他の者が幸せになって欲しいから。
 ただ……きっとあの腹黒は天ではない。この世界を変えろという以上、世界に抗えというからには……自分は世界の敵なのだろう……そう、秋斗は思う。

 目の前に突き付けられた壊される世界を、自分の命を賭ければで救えるのなら安いモノだ。一度死んだ彼は、きっとこの世界に来た時から何処か壊れていた。

「そなたは……天を殺すと言うのか」

 当然の疑問。話の流れはそちらに傾いている。彼の内心など誰も知らなくていい。

――違うさ。“俺がぶち壊したい天”は……“なるかもしれない未来”と、“お前達の頭ん中にある曇り空”だ。

 表には決して出さず、劉協の頭にぽんと手を置く。
 さらさらと白金の髪を撫で梳かして、そのくりくりとした瞳をじっと見据え、くつくつと喉を鳴らした。

「人の想いを穢してしまうなら、な。でもお前さんは殺さない。殺すつもりなんか無いし、人の心を持って欲しい。
 背反し矛盾した人と天を同時に持ってしまえば、きっと身の凍るような辛い時間が続くことだろう。それでもお前さんは人の心が分かる天になるのがいい。
 何よりも……お前さんは他の皆と繋がる方法、もう持ってるんだぜ?」

 また何かおかしなことを言いだした、と小さくため息を零す華琳。月は興味があるようでじっと秋斗を見つめた。
 劉協は……首を少し傾げ、自分の掌をじっと見つめる。

「協、お前は蒼天だ。鬱陶しい雲なんざ俺達が払えばいい。
 世界を照らしたいと望む日輪にも雲は必要ない。夜の暗闇を照らす真月にも雲なんざいらねぇ。
 この空みたいな蒼空を世界に広げよう」

 見上げた空は快晴。何処までも果てしなく蒼が広がっていた。
 答えを言わない彼はいつも通り。
 考えることで人は成長するモノだから、と。

「……余が持っている皆と繋がる方法とは……なんじゃ?」
「クク、簡単には教えてやんない。自分で探し、自分で気付け」
「……それには同意だけれど……」

 今回は華琳も分からなかった。月も首を捻って眉を寄せる。
 天が人と繋がる方法など、きっと何処を探しても無いはずなのだ。

「乱世の果てで教えてやる。華琳にも、月にもな」

――俺が黒麒麟と溶け合うこと
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