天と人を繋ぐモノは
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だけよ? それにあの子だって頭は悪くない。そのくらいの分別はするわ」
「……あいつめ、からかって楽しんでやがるな」
物思いに耽る劉協と、微笑ましく見ている月とは別に、彼は華琳に確認を一つ。
万が一があってはいけない。それでいて最低限は自由が保障されなければならない。人選で言えば明が最適で、それ以外では柔軟さや力量に欠ける。
明の異常な気配察知能力は呂布に並ぶ。子供の頃から暗殺に明け暮れてきた彼女からすれば、街の中で同じ穴のムジナを見つけることは普段の暮らしの一部ですらある。
殊更に、袁家という有力な家に所属していたからには探りを入れてくるモノなど後を絶たない。なればこそ、彼女は帝を護衛するに足りる。
不安だった点は発言のあれこれだが、どうやら彼と桂花以外には普通らしい。
彼女なりの理由があるのだが……彼としてはソレを止めてほしい。しかしやめてなどくれないから悪態を突くしかなかった。
「それなら……戦に向かってる時は無しかね」
「さすがにそればかりはね。帝であれど憎まれもする。利用されもする。浅はかな連中の動きは読みにくいし、街に生きている人間は千差万別。私の街であっても把握しきることは出来ない。どんな確率への対処も予測すれば、私達が居ない時に実地学習をさせるのは避けるべきよ」
「……どうせならその時は職場体験とかありかなぁと思うんだが」
「職場たいけ……ああ、そういうこと? 無理よ秋斗。孫呉の地に建設中の娘娘三号店に店長が向かったら不安が残る」
「そうかぁ……いい案だと思ったんだが……」
「む……そなたら、何を相談しておる? また余を置いて違う話をしておるな?」
二人だけで話を進めているのが気になったらしく、劉協の意識が二人に向いた。
「このお菓子を作った店で働くことを体験して貰うかどうか」
「なにっ!? よいぞ! 余は働いてみたい!」
目をキラキラさせて笑顔の華を咲かせた劉協の興味は止まらない。自分に何か出来ることは無いかと思い悩んでいたのだからそれも当然。
「状況が整ったらってことで」
「次の戦が起きる前ならよかろ?」
「今すぐってのはちょっと……俺らの思惑で店長の脚をこれ以上引っ張るわけにもいかないんでな。協の勉強を一番先にはしてやれない」
反して返される答えは否。
秋斗としても、店長にはただでさえ迷惑をかけっぱなしである。持ちつ持たれつとは言っても。
表情を曇らせながらも、劉協は反発はしなかった。
「……そうか、分かった。余はその時を待とう。だが、絶対じゃぞ?」
「ああ、約束しよう。状況が整い次第で店長に話を付けてみる」
「褒めて遣わす。しかし……よい、よいの。余が一番最優先では無いのか……ふふふ」
普通なら一番に彼女の望みを聞くべきのは
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