天と人を繋ぐモノは
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……あの裏切り者が付いた、日輪と呼ばれつつある覇王等には。
銀月を望む少女は一人、愛しい主の、ただそこにあるだけの温もりに埋もれた。
虚無を映す主の心は、きっと敵の頸を全て並べた時に戻るのだ。
――決めたのです。ねね達だけで機を待つよりも、劉備を利用するのです。使えるモノは敵でも使う。それが……今のねねの遣り方。甘えた志を叩き折って、絶望に歪む表情を彼女達に捧げますぞ。龍飛、見ていてくだされ。
引き裂いた口から、舌を出した。赤い赤い舌だった。
寝台の横にある果実を一つ手に取って、半分だけ、あーんと口を開いた後に齧った。
残り半分は誰のモノか。
押し付けることはしたくないから、彼女はそっと皿の上に置いた。
いつか食べてくれるはず。彼女が戻った時に、昔のような愛しい笑顔で、きっと甘い果実を食べてくれるはず。
願いを込めて、ねねは目を瞑った。
――月の平穏を壊したモノは全て賊でしかないのですよ。まずは孫呉、せいぜい龍飛とねねの掌の上で踊るがいいのです、周公瑾。
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