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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico23其は天に座す竜を守護せし鉄壁の暴風〜Chevaliel〜
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って退くわけにはいかない!)

シュヴァリエルが姿を見せるかもしれないという想定をしていた時に、俺はふと正月に引いたおみくじの内容を思い出していた。退けば後に不利となる。躊躇わず勝負せよ、という内容だった。おそらく今回の遭遇を示していたのかもしれない。ならば・・・

「俺がシュヴァリエルを引き付ける! みんなは今すぐにこの場から離れろ!」

戦うしかないだろう。はやて達を俺とシュヴァリエルの死闘に巻き込まないようにするために、彼女たちを問答無用で遠ざけなければ。巻き込み事故で誰かが死んでしまうような事態だけは避けたい。

「あ、あの、でも、シュヴァリエルさん、私たち知り合いで・・・」

「馬鹿! ソイツにはそんな人間らしい感情なんて持ち合わせてない!」

「酷い言い草じゃないか。ええ? ま、少し予定が狂ったがいい機会だ。力の差を思い知らせてやるよ!」

シュヴァリエルが“極剣メナス”を具現して携えた。“メナス”は俺が製造した神器だ。全長2mの片刃の大剣で、風嵐系術者の魔術効果を高める機能を持たせた。さらにはシュヴァリエル専用ということで重く・堅く・純粋な破壊力に特化した、刀剣類というよりは打撃武器に入るかもしれない武装に調整してある。

「おおおおお!」「フンッ!」

“エヴェストルム”を神器化するための神秘を含んだ魔力カートリッジを計4発ロードしたうえでシュヴァリエルへと斬りかかる。シュヴァリエルは“メナス”による迎撃。刃が衝突すると「きゃああああ!」なのは達が衝撃波で吹っ飛んだ。言葉で逃げてくれないなら、こうでもして無理やり距離を開けさせるしかない。

「フェンリル! はやて達を逃がせ!」

「イエス、マイマスター!」

「フェンリル狼か。後で下手に邪魔されちゃ敵わん」

こちらは両手持ちで斬りかかっているのに、シュヴァリエルは片手だけで柄を持ち、俺の全力の斬撃を受け止めている。判りきっていたが、膂力が圧倒的に違い過ぎる。それゆえに空いている左手がフェンリル達に向けられた。シュヴァリエルの左右で風が渦巻き・・・

――十裂刃風――

「やめ――」

渦巻く風は2つの真空の刃となって放たれ、フェンリルを十字に襲った。今のフェンリルには戦闘能力はないため、「フェンリルさん!?」成すすべなく寸断されて、魔力となって霧散した。はやて達はその光景に目を大きく見開き、ガクガクと体を恐怖に振るわせてその足を止めた。

「シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ! はやて達を逃がせ!」

頼りはシグナムら大人だけ。シグナム達は少し迷いを見せたが、それでもはやて達を逃がすために動いてくれた。しかし「わたしは一緒に戦う!」はやてとシャルがそんなことを言いだす始末。するとなのは達にも、残ろう、って空気が。
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