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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico23其は天に座す竜を守護せし鉄壁の暴風〜Chevaliel〜
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他にも体の至る所から血が噴き出す。
「「「「「っ!!」」」」」
「ルシル・・・くん・・・!」
なのは達が顔を青くしてフラリと倒れ込みそうになったのを支える。ショッキング過ぎる光景だもんね。わたしもショックで倒れそうだけど、なんとか耐える。
「ぐぉあ!」
それと同時にルシルが放った黄金に輝く魔力砲撃がシュヴァリエルを直撃。着弾時に発生した魔力爆発と衝撃波にわたし達は悲鳴を上げることも出来ずに吹き飛ばされて、気が付けばルシル達から大きく距離が開けられてた。
「我が手に携えしは友が誇りし至高の幻想! 神剣ホヴズ!」
「面白れぇぇぇーーーーッ!」
ルシルは片腕が無い状態でも新たに別の武装――クリスタルのような剣身を持つ両刃剣を携え闘い続ける。また、シュヴァリエルの方も左の前腕部を失ってた。さっきの砲撃でようやくダメージを入れられたんだ。お互いに片腕を失ってもルシルとシュヴァリエルは斬り合う。それがあまりにも辛くて涙が溢れ出る。
「っ・・・い・・・つ・・・」
倒れていた体を起そうとした時、背中に痛みが走ってる。木に打ち付けられた所為だ。それでも懸命に体に起こして辺りを見回す。なのは達は完全に気を失ってるみたい。そしてシグナム達は「行かせて!」ルシルの元へ行こうとするはやてを押し留めていた。
『イリス! お願い! 体を貸して!』
シャルロッテ様の意識から思念通話が来た。その今まで聞いたこともないような必死さに「はいっ!」わたしは即答した。
『ありがとう!』
わたしの意識が沈んで、代わりにシャルロッテ様の意識が浮かび上がってくる感覚を得る。そして完全に体の支配権がシャルロッテ様に移った。わたしは自分の目に移る光景をシャルロッテ様視点で眺めることに。
「はやて、私が行く! シャマルは、ルシルの治療のスタンバイと、本局医療局に連絡! シグナム達はなのは達をお願い!」
そう指示を出すシャルロッテ様が駆け出す。手にはわたしのデバイス・“キルシュブリューテ”。向かうはルシルとシュヴァリエルの死闘の中。
「シュヴァリエルぅぅぅーーーーーっっ!」
怒声を上げるシャルロッテ様。シュヴァリエルの目線がチラッとだけこっちに向くと、「邪魔すんな、剣神!」シャルロッテ様のかつての二つ名で呼んだかと思えば・・・
――十裂刃風・乱刀――
鮫の背ビレのような風の刃を20、地面を走らせるようにこちらへ放った。フェンリルを消滅させた攻撃だ。シャルロッテ様は「見飽きてるよ、この攻撃は!」そう叫んで、刃と刃の狭間をすり抜けた。だけどすり抜けるための方向転換に消費したその一瞬が、ルシルとシュヴァリエルの死闘に干渉するチャンスを潰した。
「ごはっ・・・!?」
――轟風暴波――
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