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desert cats' counter
プロローグ
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くした。

視界は悪く、ここからではほとんど何も見えない。
水の飛沫く音だけが今起きている状況を知る手掛かりだった。

ものの3分でその音は止み、彼らは帰ってきた。口に血にまみれた魚をくわえながら。

グリードは無言で横を通り過ぎる。

僕にはやはり付いていくしか能がなかった。









「こいつは捨て猫だ。」

大木の前には様々な色をした猫たちが集まっていた。

「なぜ捨て猫がここにいる?」

少し強面のおじさまが発言をした。

「俺が気に入ったからだ。まだ捨て猫の団体には入っていなかったようだからな。」

「貴様はまた独断で……親父とは似ても似つかんわ……」

「古株があまり口出しをするな。」

仲は良くないようだった。
「とにかくだ、しばらくこいつは一緒に行動することになる。」

「名前は何て言うの?」

フルーメルはにこやかに聞いた。彼女は悩みなど無いのだろうか。

「どうした、自己紹介くらい自分でやれ。」

それもそうだった。前に立って何も言わないのはおかしい。

「ぼ、僕の名前は……」

グリードに言われたことを思い出す。

沈黙は元からの緊張をさらに悪化させた。

「アルマです……」

そういうしか、無かった。
後悔はしていない。来夜に恨みはないし、この名前は気に入っている。

グリードは特に反応することなく前を向いていた。

「アルマくんかぁ!よろしく!」

歓迎してくれているのはフルーメルだけのように見えた。





七日後。

「行くぞ」

グリードの合図は毎日変わることはなかった。
僕がそれに付いていけるようになったのはつい昨日のことだった。
手際よく魚を追い詰めていく彼らに混じって、足手まといをする。やっとのことで狩り場に出ても僕はその程度のようだ。

水から上がり、水滴を振り飛ばす。

「帰るぞ」

この声も変わらない。
それが少し気掛かりだった。
僕の記憶が正しければ今日は約束の日のはずだ。なのにグリードは何も言わない。それに、まだ本物の魚を食べていない。自分で取った、本物。

「今日もダメだったねぇ」

フルーメルはいつも励ましてくれる。そのせいで彼女が孤立してないかと不安になる。

「まぁ、明日も頑張んなさい!」

そうか、グリード以外は約束知らないんだな…
生返事を返しながらそう思った。

魚はいつも通りグリードに分けてもらい、お腹を満たした。

一班の軽いミーティングが終わると、それぞれの寝床へ散り散りに歩いていく。
僕だけがグリードに付いていった。

彼は何も言わなかった。
でも、いつもの帰り道とは違う気がした。
あぁ、
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