短編98「僕の選択」
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小さい時、僕は実は宇宙人で、いつか空からお迎えが来るのだと思っていた。だから学校の窓から空を見上げては……
『あっ!小学校を包む大きな影。きっと宇宙船だ』
と、夢想していた。
そしてそんな事を忘れて、大人になった今……
「なんだ!?急に外が暗くなったぞ」
社内では大騒ぎになった。会社のビルを包む巨大な影。いったい何事!?かと、僕も恐る恐る窓の外を見た。
外には巨大な円盤があって、光のカーペットが僕に向かって降りてくると……
「お迎えに参りました。さあ、母星に戻りましょう」
と、宇宙人がやって来て僕に言った。そして思い出した、子どもの頃からの漠然とした思い。
『いつか空からお迎えが来る』
でも、しかし思いは現実になったのだが……
今の僕には、素敵な妻と子どもが居るのだ。
『帰れるのは、銀河星団法に基づき僕だけだ。そしてお迎えは、この一度きり……』
家族を取るか?母星を取るか?
さてさて究極の選択だ。
おしまい
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