暁 〜小説投稿サイト〜
極短編集
短編98「僕の選択」

[8]前話 [2]次話
 小さい時、僕は実は宇宙人で、いつか空からお迎えが来るのだと思っていた。だから学校の窓から空を見上げては……

『あっ!小学校を包む大きな影。きっと宇宙船だ』

 と、夢想していた。
 そしてそんな事を忘れて、大人になった今……

「なんだ!?急に外が暗くなったぞ」

 社内では大騒ぎになった。会社のビルを包む巨大な影。いったい何事!?かと、僕も恐る恐る窓の外を見た。
 外には巨大な円盤があって、光のカーペットが僕に向かって降りてくると……

「お迎えに参りました。さあ、母星に戻りましょう」

 と、宇宙人がやって来て僕に言った。そして思い出した、子どもの頃からの漠然とした思い。

『いつか空からお迎えが来る』

 でも、しかし思いは現実になったのだが……

 今の僕には、素敵な妻と子どもが居るのだ。

『帰れるのは、銀河星団法に基づき僕だけだ。そしてお迎えは、この一度きり……』

 家族を取るか?母星を取るか?



 さてさて究極の選択だ。

おしまい

[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ