短編92「バイシクル 」
[8]前話 [2]次話
初めての自転車は、親が使っていたママチャリだった。それから中学になると、マウンテンバイクに乗った。
社会人になってからは、マウンテンバイクからロードサイクルに乗り換え、通勤に使っていた。
結婚をし、子どもが出来てからはロードサイクルからママチャリへと乗り換えた。子どもの送り迎えの為だ。
子どもが自転車に乗れるようになると、どんな所でも走りやすいようにとマウンテンバイクを買った。子どもに合わせて自分も、ママチャリからマウンテンバイクに乗り換えた。
大きくなると、子どもは自分で好みの自転車を選んだ。それは普通のママチャリだった。僕はしばらくマウンテンバイクに乗った。
子どもも独立した頃、とうとう愛用のマウンテンバイクが乗れなくなった。新しく買ったのは、変速機付きのママチャリだった。
そして孫が出来た。相変わらずママチャリだ。今ではママチャリに孫を乗せ、送迎を手伝っていた。
◇◇◇
『お迎えに参りました』
『おっ!粋な物を持って来たね』
『お迎えの際には、その人の中で一番印象に残っている乗り物で、現れるんですよ』
『そうかあ、だから自転車かあ!』
こうして、用意されたママチャリに乗って、天国に向かったのだった。
おしまい
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ