想いの時間(2016/05/16 一部修正)
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目の前見てみ」
「………本当だ」
「玉璽みたいな特殊なパーツを組み込む場合は3秒くらい掛かるけど、普通のなら組み上げるのに1秒も掛からねぇからな。今回は初調律ってこともあって、組み上げるまでに少し時間が掛かけたけど」
「そうなんだ。………ありがとう、イッキ君」
「ん、どういたしまして」
こんな遣り取りをしながら、俺は神崎の為に組み上げたA・Tを持ち帰り易い様、自作のA・T取説と一緒に箱に詰め、神崎へと渡した。
その後、神崎を家まで送ろうとしたが、玄関で神崎に断られた。言っておくが、嫌われたとかじゃないからな。そこまでして貰うのは申し訳ない的な意味で断られただけだからな。で、その時にこんな遣り取りもあった。
「今日はありがとう、イッキ君」
「お礼ならさっき貰ったからもういいって」
「うん。それとね、イッキ君」
「ん?」
「私、イッキ君になら本当の調律、されても良かったよ?」
「え?」
「………」
「………」
「あと、私のこと名前で呼んでくれたら嬉しいな」
「えっと、それって下の?」
「うん」
「………」
「……私、そろそろ帰らないと。イッキ君、また明日」
「……お、おう。また明日」
…………本当の調律OKって、そういう意味だよな?……ヤバい。俺、明日からどんな顔して神崎と会えばいいんだ?
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