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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第4章 ハイネセン同盟軍統合士官学校 休暇と悪夢とPTSD
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から軍医になるために勉強していた。
彼女は現在第1艦隊第2分艦隊衛生下士官であったのでほとんどをハイネセンで過ごしていた。
と言っても彼女には日中勤務があるので、日中は私は士官学校の教本予習や歴史書を読み漁って、夕方から彼女の試験勉強を手伝うというスタンスをとっていた。
ある日、ランニングとトレーニングが終わってベッドに突っ伏していた。
そして、ニコールがドアをノックして入ってきたらしいがその時私は撃沈していて気づかなかった。
彼女は2時間近く私の部屋で勉強していたが、私はその時あの悪夢を見ていたのだ。
「あの男」に斬り殺されそうになる夢を…
そして、寝ている真っ最中に大声を張り上げ
、全身が痙攣し始めたらしい。
びっくりしたニコールは私の顔を思いっきり平手打ちするなり
「シュナイダー!起きなさい!
目を覚ますのよ!!」
それで目を覚ました私は
いきなり、吐き気をもようしトイレに駆け込んだ。10分以上トイレにいたのだろうか?
トイレから出るなりとんでもない恐怖心に襲われた。
なぜか涙が溢れ出てきた、急に。
うずくまって恐怖心と涙が押し寄せてくるのに耐えなくてはいけなかった。
ニコールが私の背中を包み込むように抱いた
「シュナイダー大丈夫よ
私がいるわ。ここにいるから…」
そのまま何時間も泣いていた気がする。
こういう時に彼女がいて良かった。
その晩はニコールがずっと私のそばにいてくれた。
彼女は一晩中思い出話などの軍務と全く関係のない話をしていた。
いつのまにか2人で眠りに落ちていた。しかし、その直前に彼女は私にとって恐ろしいことを口走った。
「あなたのPTSDは重度だわ。
本来なら軍務復帰はほぼ不可能なのよ。」
いっぺんに眠気が吹き飛んだ。
彼女は
「そんな顔しないで。
あなたには私がついてる。
大丈夫よ。」
と言って私の方に口づけをするなりそのままお互いに眠りに落ちた。
その日から何度も悪夢に襲われたが、その度に彼女に救われた。毎回、その後何時間も話した。
そして、夏季休暇が終わる頃には悪夢にうなされることはなくなった。
こうして私の宇宙歴790年 8月は終わった。

その時は卒業まであと8カ月、
全力で走りきろう。
と思っていたが、私たち173期生たちを襲うあの事件を予測したものが誰がいただろうか?
あの「ハイネセンイースト地区大規模テロ事件」
卒業間近のあの悲劇を
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