第三部。終わる日常
第一章。赤マントのロア
第一話。雷雨の中の襲撃者
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るのか?
何の為に?
「……げほっ……なあ……もしかして、俺に……そっちに行ってほしいのか?」
なんとか声を振り絞って、そう尋ねてみる。
反応はない。
「だったら……」
いっそそっちに行ってやるよ!
本音を言うとわざわざ自分から女の子の場所に行きたくはないが、俺は『不可能を可能にする男』、『エネイブル』だ!
目の前で困っている奴を見捨てられない。
そんな寝覚めが悪いことは出来ない。
それこそ、神隠しの中にだって平気で突っ込んでいくような男だ。
「俺を」
連れていけ。
そう、言いかけた時だった。
「えっ、男?? 間違えた!」
そんな声が聞こえて。
「……はい?」
俺は思わず聞き返してしまった。
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