第三部。終わる日常
プロローグ。キンジの日常
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い、あっちの俺がいろいろやらかしてしまっているのだ。
「このエロ助」
「エロ助じゃないが……本当にすまん」
「まあ、貴方の性癖については後でお仕置きするからいいとして。いいでしょう、話があるからツラを貸せ、ということですね」
言い方は悪いがその通りなので俺は頷くしかなかった。
2010年6月18日。夜坂学園校舎内廊下。
一之江と廊下を歩いていると、多くの生徒から注目を集めている視線を感じた。
無理もない。一之江は隣街の名門校、蒼青学園の制服を転入してきてからずっと身に付けているのだからな。
ごくごく平凡な生徒からしてみると、その制服だけでお嬢様イメージがついてしまうのだろう。
しかも、彼女は衣替えが終わっても同じ制服を着続けているのだからな。
以前、制服の事を聞いた時には『噂されやすくする為』などと言っていたが、俺達ロアは噂に左右されやすい存在なはずだ。
そんな噂に左右されやすい俺達ロアが噂をされやすくするメリットがあるのだろうか?
それとも、『都市伝説』の正体はバレた方がいいのだろうか?
うーん、わからん。
一人で考えても解らなかったので、俺は階段の踊り場までくるとまずそれを尋ねてみることにした。
「なあ、前に制服の事を聞いた時に噂されやすくする為って言っていたが」
「はい? ああ、何故この学園の制服を着ないでわざわざ蒼青学園の制服を着続けているのか、という問いですか?」
「あの時にも疑問に思ったんだが、ロアの正体はバレた方がいいのか?」
ロアは噂に左右されやすい存在だが、その正体を明かしてしまってもいいのだろうか?
正体を明かしてしまったら他のロアに狙われやすくなるのではないか。そう考えると正体を無闇に明かすのは危険だが……。
逆に明かした方が噂になりやすくなる。
より強力な存在になるなら明かした方が物語としてより完成するのだからそっちの方がいいのだろうか?
どっちの可能性もある為、ロアの先輩の一之江に尋ねてみると。
一之江は……。
「ああ、いえ、噂される程度が丁度いいんです。バレてもいいっちゃいいんですが、私くらい有名だと他のロア狙われまくってしまうので。殺しまくるのも疲れますし」
さらりに物騒な事を呟いた。
「その辺りのシステムがいまいちまだ解らないんだよなあ」
「その手の説明担当はキリカさんなので、彼女の復活を心待ちにして下さい」
「うーむ……そうかぁ」
キリカが情報担当。一之江は戦闘担当みたいな役割りが二人の間に出来ているようで、キリカは優しく、例えば話を使っていろいろ話してくれたり、一之江は容赦なしで俺に戦闘訓練を課してくる。
ただし、ここ数日は一之江がどちらも担当していた
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