暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第三部。終わる日常
プロローグ。キンジの日常
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は朝っぱらから首にナイフのような金属を押し当てられないといけないんだ?
『月隠のメリーズドール』というロアである一之江は、何かある度に俺を刺す癖がある。
前世でアリアが事あるごとに俺に銃を向けてきたように。
だが、人前でザックリやるほどのお茶目な奴ではないはずだ。
というかないといいな。

「いいからとっととトークしなさい。こちとら、キリカさんに言われたので仕方なく付き合っているのですから」

一之江が何故こんな殺伐としたトークをしたがるのか。
それはキリカに頼まれたかららしい。
キリカを心配して電話した一之江にキリカが『モンジ君との朝のトークはお願いね!』
などと言ったそうだ。
それを毎朝実行しようとする律儀さはいいが、いかんせん本人にその気が無さ過ぎだ。

「では、語りなさい」

「急に言われてもな……ええと、いい天気だな?」

「ええ、朝から土砂降りでテンション下がりますね」

「昨夜はよく寝れたか?」

「深夜まで通信番組を見ていたので3時間しか寝ていません」

「朝食は何を食べたんだ?」

「朝は基本何も食べません」

「……」

「他には?」

「……特にないな」

「コミュ力の低い人ですね」

お前が言うなー!
どうしろというんだ?
話題を出そうとすればその話題を全てぶっ潰す一之江相手にトークしないといけないなんて。
これ何の罰ゲームだよ!
そう思っていると。
一之江がはぁ、と溜息を吐いたのと同時に首筋に当てられた金属の冷たさは無くなった。
会話するつもりが微塵も感じられなかった一之江に愚痴りそうになったが、愚痴ったが最期。
どんな目に遭うかは想像出来るので心の中だけで愚痴ることにしよう。
そう思いながらも、それとは別に聞きたい事があった俺は一之江に小声で話しかけた。

「なあ、一之江」

「なんですか。宿題ならやっていませんよ」

「見せませんよ、じゃなくてやってないのかよっ」

「宿題は決して家ではやらない主義なのです」

「……昨日学校でやってなかったか?」

「授業の時は眠いので寝ていました」

堂々とした態度で言う一之江。
これで、宿題提出の時もしれっと「すいません、やってません。申し訳ありませんがやる気も起きませんでした」などと語るので、教師泣かせだったりもする。

「ちょっとあっち系で聞きたい事があるから、教室の外で話さないか?」

「またどこかに連れ込んでエロい事をするつもりですね」

「またって、お前にはしてないよな??」

「には?」

「うぐっ」

しまった、という表情を浮かべてしまった。
そうなんだ。一之江以外の子にはアクシデントが起きてしまったせいでヒステリアモードになってしま
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