第三部。終わる日常
プロローグ。キンジの日常
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圧感を放っていた。
一方の『首なしライダー』はド派手な特攻服を着用している。
その特攻服には『天上天下唯牙独尊』という刺繍が入っていた。
「まあ、そういうな。キンゾーよ。わらわ達を見て驚いただけなのかもしれぬ。
平常時に競い合ってみたら意外とやる奴なのかもしれぬぞ?」
「ブチ殺すぞ! てめぇらがその名前で呼ぶんじゃねえよ!」
車外から聞こえてくる化け物達の怒鳴り声。
恐怖のあまり、運転していた彼はそこで気を喪ってしまいました。
私?
私は、助手席で最後まで彼らの声を聞いていましたよ。
彼が気を喪ったのが解ると、その人達は私に向かいニッコリ微笑みましたから。
ええ、怖かったです。
トラウマものです。
停車している私達の車を置き去りにして。
彼らは去っていきました。
去り際に彼らの叫び声が聞こえたのでここに記しておきます。
「それじゃ、とっとと行くかの、キンゾー? 『音速境界』」
「ライン、てめぇは後でブチ殺す! 『流星』」
気を喪った彼はその日から街中で幼女や高齢の女性を見ると失神してしまうようになりました。
あれ以来、境山はおろか。
他の場所にもカーレースに行くことはなくなり。
バイクや特攻服を見ると奇声をあげるようになったとか。
これは本当にあった怖い話です。
2010年6月18日。夜坂学園。2年A組。
俺は一人で自分の席にぼんやりと座って教室のドアを眺めていた。
ここ最近の俺の日課と化している行動だ。
______ここでいくら待とうが、毎朝楽しそうにトークしてくるあいつの姿があるわけないのは解るのだか、ついなんとなく待ってしまうんだ。
仁藤キリカ。
俺の親友であり……この世界で初めて俺に話しかけてきた人物でもあり、また『魔女喰いの魔女・ニトゥレスト』でもある。
そのキリカはここ数日、学校を休んでいるんだ。
元々そんなに体が丈夫な方ではなく。ちょくちょく病気になって学校を休む。
______そういう事になっている。
本当のところちょっと違うという理由を知っている俺は複雑な気持ちになるが、俺の口からはなんとも言えない。
そんな事を考えていた時だった。
ピロリロリーン! と俺の携帯にメール着信があった。
メールを開いて見るとそこには……。
差出人・仁藤キリカ
タイトル・モンジ君へ
内容・モンジ君おはよー! 今日も雨で外がしとしとだね。
ちゃんと傘を持ってきてるかな?
もしかしたら、予備の傘があると……中略……。
それじゃ、瑞江ちゃんや音央ちゃん、鳴央ちゃんと仲良くね。
今日もぐっすり寝て過ごしまーす♪
おやすみな
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