第三部。終わる日常
プロローグ。キンジの日常
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山道を爆走しています。
その赤いスポーツカーを運転しているのは、地元の大学に通う学生。
私の友人です。
彼の名前はそこまで重要ではないですが、一応記しておくとしましょう。
彼の名前は茶羅伊織と言います。
社会的な身分は大学生という事になっていますが、長髪茶髪で普段からシルバーのアクセサリーを身に付けていることか、学内ではチャラ男と呼ばれていました。
そのアダ名の通り、彼は女性関係にだらしなく。よく女性関係のトラブルを抱えていました。
そんな彼はほとんど毎日のように、深夜になるとここ境山の峠道を魔改造したお気に入りの愛車で爆走していました。彼の趣味というか、特技がカーレースなのです。
俗にいう、『走り屋』というやつです。
急勾配のある山道でもほとんどスピードを落とさずに駆け抜けるその様は、地元でも知られた存在で多くの若者から羨望の眼差しで見られていました。
そう、見られていたのです。
とある日まで。
その日、彼はいつものように愛車を走らせていると、車のバックミラーとサイドミラーに不思議なものが映っているの見つけてしまう。
自身が運転する車の後ろ。後方に車ではない異様なものが車間距離ギリギリに、ピッタリと張り付いていたからだ。
「おいおい。なんだよ、アレは?」
そう声に出してから気づく。
彼が運転する車の真横にピッタリと寄り添うように走るバイクがあることに。
(族の奴ら……か? いや、でも……そんな……)
「う、うわあああぁぁぁ??」
彼が驚きのあまり大声をあげたのには訳がある。
彼の運転する車の横に寄り添うように走るバイク。
それを運転するライダーの体。
そのライダーの体が一部アリエナイ事になっていたからだ。
(ク、首から上がねえ??)
そう。彼が見たのは上半身の首から上がない人間と思わしき人が運転するバイク。
都市伝説として語られる『首なしライダー』を彼は見てしまったのです。
「おいおい……嘘だろ? 夢だ。夢、夢、これは夢だ!」
彼はあまりの恐怖に車を停車させようとブレーキを踏んだ。
その瞬間、後方から迫っていた何かの声が聞こえてしまう。
「なんじゃ、せっかくわらわが走っているのに止めようとするなんて競いがいがない奴じゃな」
「ケッ、だから言っただろうが。美しい車を美しくない改造している奴なんて戦う価値もねえって」
後方のその何かの姿が見えた。
それは一人の少女だった。
フリフリで、ヒラヒラのいわゆるゴシックロリータと呼ばる服装を身に纏い、体の至るところには包帯は巻かれていた。
年齢は小学生くらいだろうか。
怪我をしているのか、全身を包帯で巻かれていて、片目も包帯に包まれている。
その様は怪我の痛々しさよりも、ゴシックホラー的な恐怖と威
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