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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン27 鉄砲水ともう1つの『真紅』(前)
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なモンスターの総攻撃力は4700、かー。まあ、頑張ってるんじゃなーい?」
「くっ……バトル!シーラカンスで……」
「おっと、その前によーーくフィールドを見てみたらー?」

 その言葉につられ、言われたとおりにフィールドに目を向ける。なんとバルバロスの虹の槍が今度は緑色の炎に包まれ、それを持つ本体もまた緑色に薄く光っていた。

 神獣王バルバロス 攻1400→3300

「攻撃力、3300?」
「イエースイエース。僕はメインフェイズ1の終了時に伏せカード、炎舞−「天権」のカードを発動したんだよねー。発動時に獣戦士族を1体選んでこのターンだけその効果を無効にし、さらにこのカード以外のカード効果を受けなくさせるのさー。それに天権はそれとは別に、フィールドにある限り獣戦士族の攻撃力を300ポイントアップさせる効果もあるのさー。これで水舞台装置のぶんの攻撃力アップは実質チャラだねー」
「……メイン2に移行、そのままターンエンド………」

 今の場面では、相打ちに持ち込んだ方がよかったのだろう。このままだと次にペンギンが倒されればシーラカンスの攻撃力がバルバロスを下回り、なすすべなく一方的にやられてしまうのみになる。だけど、いくら戦術的に正しいことだとしてもやっぱり相打ちだとか自爆特攻だとかの指示は出したくない。そんなことばかり言ってるから、いつまでたってもパッとしないデュエリストなのかもしれないけど。

「あははー、やっぱりそこで攻撃してこなかったかー。結構結構、僕のターン。レスキューラビットを召喚して、効果発動ー。このカードを除外して、デッキからレベル4以下の通常同名モンスター2体を特殊召喚〜……暗黒の竜王(ドラゴン)!」

 暗黒の竜王 攻1500
 暗黒の竜王 攻1500

 緑色の皮膚を持つオーソドックスな見た目の竜が2体。特にこれといった特徴のあるモンスターではなく、なぜこの局面でわざわざ出してきたのかがさっぱりわからない。ドラゴン族じゃ天権の効果も得られないし、第一あれじゃあ次のターンにシーラカンスの餌食にしてくださいと言ってるようなものだ。

『いや、マスター。これはかなり危険だ。レスキューラビットで呼び出されたモンスターはエンドフェイズに破壊されるから、シャクトパスの効果を無視して攻撃ができる……!』
「そ、そうかっ!」
「相談かなー?まったく、仲がいいようで微笑ましいよー。遠慮はしないけどね、バトル!暗黒の竜王でペンギン・ナイトメアに攻撃、炎のブレス!」

 先ほど虹色の槍から身を守ったシルクハットも、竜の炎の前には役に立たなかったようだ。そしてペンギン・ナイトメアからのブーストがなくなったことで、シーラカンスの攻撃力も200ポイントの修正を受けてしまう。

 暗黒の竜王 攻1500→ペンギン・
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