暁 〜小説投稿サイト〜
ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
五年後
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ディさんである。

「……あの、二人はいつもああなんですか?」

「ん? ああ。あの二人は同郷の幼馴染みらしいぜ」

「へぇ〜、初耳です」

「だろうな、言ってなかったし」

「……はぁ、結局ハーチェス様が見つからないわ……」

手に持ったシチュー?を残念そうに見つめながらリリアさんが部屋を去る。
少しして、周りの安全が確認できたのか、ハーチェスさんが恐る恐るといった様子で物陰から顔を出した。

「い、行ったか?」

「大丈夫ですよ、ハーチェスさん」

「よ、よかった、助かった……」

一安心したようで、ホッと息をつく。
リリアさんも、ハーチェスさんにゾッコンなのは別にいいのだが、その前に料理の腕を何とかしてもらいたい。爆発かゲテモノの二つにひとつだから、パディさんが毎度泣いている。材料費がぁ、と

「……なんか、リリアさんは想像してたエルフの人と違いますね……」

俺のとなりで、事の成り行きを黙って見ていたスウィードがボソリと声を漏らした。
確かに、エルフといえば誰もが容姿端麗で、認めたものにしか肌を許さないとか言われてるから、こう、もっとキツそうなイメージが湧くのも分かる。

「でもまぁ、あの人がああなのは、ハーチェスさんだけだ。ファミリアの団員にも優しいけど、他のやつに対してはエルフのイメージまんまだからな」

「そ、そうなんですか……」

「言っておくけど、もう一人の方が変っちゃ変だが……あ、そういや、ハーチェスさん。他の三人は?」

「えっと、確かデルガとアルドアは買い出し。エイモンドは……まぁ、いつも通りその辺を彷徨いてるんじゃないかな?」

さすが団長、団員のことをよくわかっていらっしゃる。

「スウィードも、ちょっと変わった人が多いファミリアだけどよろしくね」

「い、いや。むしろこちらこそですよ! まさか、自分が【バルドル・ファミリア】に入れるとは思ってもいませんでしたし!」

そういってくれると嬉しいよ、とハーチェスさんは笑った。
俺はといえば、スウィードの相手をハーチェスさんに任して自室に戻る。
ここ、【バルドル・ファミリア】のホームである【光明の館】は、俺達九人が住むには少々広い。なので、個人個人に部屋が与えられているのだ。プライベートルームがあるというのは本当にありがたい。

ちなみに、俺の部屋はホームを建てる際に【ゴブニュ・ファミリア】に頼み込んで自腹で和室にしてもらった。
極東風、と注文したのだが、見事な畳の部屋である。最高だ。

で、そんな部屋に似合わない三本の槍。
言わずもがな、破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)である。
尚、残りの一本は【ヘファイストス・ファミリア】に注文した短槍だ。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ