好奇心の時間(2016/03/22 一部修正)
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絶賛ラスボス戦中に奥田さんが声を掛けてきた。ちなみに俺は奥田さんの質問に返答しているが、視線はモニターに釘付けだ。
「南君と神崎さんがゲームをこんなに得意としていることです」
「そうか?俺、こう見えても生粋のゲーマーなんだぜ。ネトゲとか、PC4機起動させて、両手両足使って4キャラ操作する位のゲーム廃人だから」
「そうそう。イッキの家、ゲーム部屋がある上ハード機1機に対してテレビ1台完備されてるしな。あれでゲーマーじゃないとか言われても、説得力ねぇよな」
俺が自分でゲーマーであることを認めると、ギャラリーの1人でお宅訪問メンバーであった陽斗が俺の発言を肯定してきた。
「それにゲーマーだからって蔑まれる謂れはねぇと思うし。ほら、クイズゲームとか雑学も多いけど、色んな分野の知識が無いと答えられねぇだろ?
それに最近は脳トレとかもあるし、ゲームのことを馬鹿にしてる奴の方が、頭の固い馬鹿っだったりするんだよな。俺から言わせて貰えば、もっと柔軟な発想をしろって感じ?」
俺がそう言い終えると同時に、ゲーム画面ではラスボスが爆散した。全面クリアまでに掛かった時間は1時間足らず。まぁまぁだな。
ツイ●ビーをクリアしたことで満足した俺は、俺と神崎のゲームプレイに感化されたギャラリーに席を譲り、風呂上りから行っていた館内散策を再開することにした。そして、散策再開から数分後―――
「イッキ君」
「神崎?」
「館内を散策してるの?私も一緒していい?」
「別にいいけど、面白いことなんて無いと思うぞ?」
「それでもいいから」
「……なら、一緒に散策するか」
「うん」
こうして俺は神崎と一緒に旅館内を散策することとなった。と言っても、本当に面白いものが無い訳なんだが。しかも、俺達の間に会話が無いから、気まずい空気になってる気がする。俺がそんなことを考えていると、神崎が口を開いた。
「イッキ君、ありがとう」
「へ?な、何が?」
「私、周りの目を気にして、服も趣味も肩書も流されて身に付けて、自分に自信を持てなかった」
「………」
「けど、今日あの廃屋とゲームコーナーでのイッキ君の言葉を聞いて気付いたの。大切なのは、自分の価値を自分で決めること。本来の自分が前を向いて進んで行くことだって。だから、そのことに気付かせてくれてありがとう」
「……俺は自分の言いたいことや考えを勝手に口にしていただけだ」
「それでも私はお礼を言いたいの」
「……なら受け取っとくわ」
「うん」
神崎とのこの遣り取りの後、散策を続けていると男湯の暖簾の前でコソコソしている一行を発見した。
「何やってんだ、あいつら?」
「さぁ?何だろう?」
「……まぁ、どうせアホな事だろうし放って置くか。
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