1部分:第一章
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のであった。
「思えばです」
「今度は何だ」
「あの頃は」
思い出すような言葉であった。
「あの方も違いました」
「あの頃とは何だ」
先導する衛兵はここでもいぶかしむ顔で彼に問うた。
「一体何時のことだ」
「皇帝陛下がエジプトにおられた時です」
その時のことだというのである。
「その時代ですが」
「随分古い話だな」
「古いですか」
「私がまだ軍に入る前、いやまだ子供だったか」
「そうですか。もうそれだけなりますか」
「そうだ。そんな前の話だ」
そこまで古い話だというのだ。少なくとも衛兵にとってはそうであった。
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