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異世界系暗殺者
炎の時間(2016/03/22 一部加筆修正)
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なさい、ちょっと無理そう」
「……別に俺が神崎を迷惑と思ってる訳でも無いんだ。手を貸す程度のことで謝んな」
「うん。―――ッ!南君、後ろ!!」


俺が神崎の手を取ろうとした瞬間、神崎が悲鳴の様な声を上げた。


「エリート校の中坊だからって、俺達を見下してんじゃねぇ!この糞餓鬼が!!」


どうやら、リーダー格の男が立ち上がり、ナイフを持ったまま突っ込んで来ているんだろう。完全に意識を刈り取ったつもりだったんだが、加減し過ぎたか?

そして、リーダー格の男が手にしているナイフが俺の背中に突き刺さる―――様に4班メンバーには見えただろう。が、実際の所ナイフは俺をすり抜け、その先に居る神崎すらすり抜けた。


「蜃気楼、って分かるか?あんたが見ていたのは、摩擦熱で生み出した俺と神崎の虚像だ。俺を本気で殺したいなら、マッハで移動できる様になってから出直して来い。
あと、俺はエリートなんて肩書で人を見下さねぇ。気に入らない相手を見下してんだ。むしろ、周囲が勝手につけた肩書なんて糞喰らえって思ってるわ。本当の意味で自分の価値を見出せるのは、自分自身しかいねぇだろ?」


俺は神崎を姫抱っこしながらリーダー格の男にそう告げ、首筋の根元に4発の蹴りを放ち、今度こそその意識を刈り取った。


「イッキ、大丈夫か?って、いつまで神崎さんを抱いてんだよ!?」
「神崎の腰が抜けてんだから仕方がねぇだろ、友人。って、悪い神崎さん。いつの間にか名字を呼び捨てにしてたわ」
「ううん。呼び捨てでいいよ。私もイッキ君、って呼んでいい?」
「名字で呼ばれるより愛称で呼ばれる方が俺としては気が楽で助かる」


絡んできた友人を軽く無視しつつ、神崎さんに名前を呼び捨てしたことを謝罪すると、神崎さんは敬称を略すことを許してくれた。


「神崎さん。迷いが吹っ切れたという顔ですが、私達が来るまでに何かありましたか?」
「……いいえ、特には何も。殺センセー、ご迷惑をお掛けしました」
「いえいえ。生徒の為に動くのは教師の務めです。気にする必要はありませんよ」
「イッキ君も……」
「うん?」
「助けに来てくれて、ありがとう」
「……気にすんな。俺達、クラスメイトで暗殺仲間だろ」


面と向かって――しかも、姫抱っこしてることもあって顔が至近距離にある状態で感謝の言葉を言われたのが初めてということもあって、俺は照れ隠しに顔を少し逸らしながらそう言った。

すると、腕の中の神崎はクスクスと笑い、すぐ近くに居る殺センセーやカルマ達はニヤニヤと笑っていた。唯一、友人だけが何故か対抗意識を燃やした様な顔で俺を凝視している。


「お前ら、何ニヤニヤしてんだ!観光の続きをする前にお前らも燃やすぞ!男子限定で!!」
「うおっ
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