暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
50.金色の異端者
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年が昨日の少年と同じだということを裏ずけている。どこにでもいそうではあるが唯里から“六式降魔剣・試(ローゼンカヴァリエ・プロト)”を奪って行ったり、眷獣の元へと向かったこと、そして似たような容姿だとするならまず彼に間違いないだろう。

「その人がどっちに行ったかわかる、唯里」

「あの駅のあたりだと思うよ」

 力なく彼女はそちらを指差す。
 友妃は迷うことなくそちらへと走り出した。

「ありがとう、唯里。ここにいたら危険だからあなたは他の誰かと合流するんだよ」

「えっ!? 友妃ちゃんはどこ行くの!?」

 慌てた声を上げた唯里。

「ボクのことなら気にしないで!」

 わずかにだけ振り向いてそう告げる。
 友妃は知りたかった。彼の正体を、なぜ自分の命をかけてまであの娘を守りたいのかを。
 そんな思いを胸にしまいこんで友妃は魔力の残滓を追っていく。




 先ほどまでの戦いがまるで嘘だったかのように街は静寂に包まれていた。獣の叫びも、大地の脈動も、水流の呻きの全てがまるで夢幻だった静かすぎる。
 どれだけそれが真実だと思いたかったことか。しかし、獣も、大地も、水流さえも全ては真実なのだ。崩壊した街がそれを物語っている。
 これこそが“神意の暁(オリスブラッド)”同士の戦いなのだ。昨日の戦いはあれでも被害が少なかった方なのだと思い知らされる。
 海原は先ほどの女性を抱きかかえながら彩斗の少し前を早足でどこかへと向かっている。

「この辺りでええやろ」

 被害が比較的にまだ少ない辺りで海原は立ち止まった。とはいっても所々建物は崩れ落ちて原型をとどめないほどになっている。
 そして先ほど起きた街の一部を一瞬にして凍結させた現象の影響もかなり受けている。
 あれがなんだったのかを考えずにはいられない。これだけの範囲を一瞬にして凍結させられるほどの魔力を持っている存在を彩斗は知りはしない。それでもそれだけの魔力を持つ者たちは知っている。“神意の暁(オリスブラッド)”と呼ばれる真祖に並び立つ吸血鬼たちだ。
 今この街では、そいつらが戦っている。ならば、先ほどの戦いに乱入してきたということも考えられない話ではない。しかし、それは違う気がした。
 先ほどの凍結現象が始まったのは間違いなく彩斗が獅子王機関の少女から奪った銀色の長剣からだった。
 あの剣はただの媒体であり、彩斗の中に秘められている魔力をこの世界へと放出しているにすぎない。ならば津波をかき消した稲妻や街を凍結させた魔力は彩斗の中に存在していることになる。
 だとするならば、彩斗は何者なのだろう?
 これだけの魔力を操れるのは真祖クラスの吸血鬼だという話だ。だったら彩斗はなんなんだ。
 ───まさか、俺は……

「大丈
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