第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
ナルト
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
吹っ飛んだネジが地面を抉り、右腕から吹き出た血が地面にぽつぽつと痕を残した。
「げほっ……かはっ」
「ケイ。そっちは安定した?」
「うん……あっちのチャクラをこっちに取り込んでる……」
「じゃー九尾の方も始末つけとこっかな。ミソラ、やっちゃって」
うずまきナルトが、九尾。
九尾の狐の存在については知らないわけではなかった。里を破壊し、里の民に忌み嫌われたその狐が後に封印されたという話も知っていた。でもまさかそれがナルトに封印されていたとは、知らなかった。
なんとか起き上がる。右腕の激痛に泣きそうになった。咳が止まらない。肺の中でぜいぜいと雑音がする。
うずまきナルトだなんて、自分とヒナタの試合中ぎゃんぎゃん口を挟んできた、頭の悪そうな発言をするうるさい下忍くらいにしか思わなかったけれど。それでもこうやって必死になって助けようとしているあたり、自分もわりと頭が悪いのかもしれない。
「櫛刺し」
しゅっと櫛が鋭い音を立てて飛ぶ。伸ばした左腕にそれが刺さった。右腕と左腕。柔拳を用いるに於いて最も大切な腕を立て続けに攻撃されるとは情けないものだと思いつつ、ケイとナルトの間に伸びるチャクラに自分のチャクラを交えた。断ち切られるケイのチャクラ。そしてナルトの中に注がれる、自分のチャクラ。
ナルトが目を覚ました。
「ネジ……? あれ? 俺……?」
両腕に櫛を刺したネジの体が宙を舞い、ミソラの拳が容赦なくその体に叩きつけられるのを見て、ナルトは現実に引き戻された。両腕から吹き出る血の痛々しいネジが地面に激突する。ミソラのクナイが振り上げられ、その心臓目掛けて振り下ろされた。
「――ネジッ!!」
「――おらぁああああッ!」
ナルトが叫ぶのと時を同じくして、飛び道具がミソラに向かって一斉に襲来した。ミソラが後ろに飛んでそれを避け、そしてネジの前に一人の少女が立ちはだかる。
テンテンといっただろうか。確かリーの、同期の子だ。
「あ、あんたは、たしかテンテン……」
「ちょっとアンタ、ネジにこんなに傷負わせといてなにボケっとつったってんのよ!」
両手を腰に当てて怒鳴った彼女に、う、とナルトは肩を竦めた。テンテンはもー、と腹立たしげにいいながら飛び道具に結びつけた糸を引っ張り、カイナとミソラ、ケイの方に向かって飛ばす。
カイナが飛び道具を掴み、破銅爛鉄を発動させた。侵食されてぼろぼろになっていく武器にテンテンは顔を顰め、巻物片手に飛んでくる。
「あああああッ!!」
巻物を開き、中の武器を掴んで投擲するテンテンの背後に、ケイが飛び上がった。
テンテンの体を掴み、先ほどナルトから吸い取った九尾チャクラを流し込む。常人にとって九尾チャクラは毒だ。テンテンの経絡系の中に入ってきた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ