第十幕その十
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「間違いないわ」
「それじゃあね」
「このお花を摘んでね」
「そしてウーガブーの国に戻って」
「すり潰してあの人に飲んでもらうわ」
「それでその人の病気が治って」
カエルマンもアンに笑顔で言うのでした。
「黄金の林檎からジャムを作って」
「それを私が受け取ってね」
ベッツイも来てです、カエルマンに笑顔で言ってきました。
「ヘンリーおじさんとエムおばさんの結婚式にね」
「持って行くんだね」
「皆喜んでくれるわ」
是非にと言うのでした、そして。
アンはそのお花を摘み取ってです、皆に言いました。
「それじゃあね」
「今からですね」
「ウーガブーの国に戻って」
「それから」
「さっき言った通りよ」
このことはもうさっきアンとベッツイが言った通りでした、そして。
皆カエルマンのところに来てです、笑顔で頭を下げてからです。ベッツイがその皆を代表して彼に言いました。
「有り難う、お陰でお花を手に入れられたわ」
「ははは、私は何もしていないよ」
「さっき見付けたじゃない」
「見付けたことは見付けたけれどね」
それでもだとです、カエルマンはベッツイに言うのでした。
「私はそれだけだから」
「だからっていうのね」
「お礼を言われるには及ばないよ」
そうだというのです。
「別にね」
「そうなのね」
「さて、それでね」
「ええ、今からウーガブーの国に行くわ」
「距離はあるね」
「そのことはもう頭に入れているわ」
ベッツイも皆もです、このことは。
「歩いて行って。そしてエメラルドの都までもね」
「歩いて行くんだね」
「充分間に合うから」
おじさん達の結婚式までです。
「そのことは安心してね」
「わかったよ、それじゃあね」
「ええ、これでね」
「そのお花は摘んでも問題ないから」
「何日位?」
「一ヶ月はね」
カエルマンはベッツイに時間の問いにも答えました。
「大丈夫だよ」
「随分長いわね」
「摘んでも一ヶ月は枯れないから、ただね」
「ただ?」
「それはお水に挿した場合だよ」
その場合はというのです。
「そのままだとあまりもたないから」
「それで枯れてお薬にしても」
「多分ね」
そうした状態なら、というのです。
「あまりお薬として期待出来ないかもね」
「それじゃあ」
ベッツイはそう聞いてです、すぐにです。
あのテーブル掛けを出して拡げて、です。そこからです。
お水が入ったコップを出してです、カエルマンさんに言いました。
「これに入れていくわ」
「そのコップの中にだね」
「これならいいわよね」
「うん、考えたね」
カエルマンはベッツイが手に取って差し出したそのコップを見て笑顔で答えました。
「そこの中に入れてね」
「ウ
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