中間の時間(2016/05/16 一部修正)
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「ああ、その話なら俺も耳にしてる。俺が聞いた話じゃ、親の銀行の預金残高が全てマイナス数値になっていた上、一夜で身に覚えのない数千万の借金ができていたみたいだぞ。
たった一晩でそんなことができるのは凄腕のハッカーだろうな。大方、夜逃げした家の誰かが凄腕ハッカーにケンカでも売ったんじゃないか?本当、世の中ってのは怖いな」
南君は教室に持ち込んだ自前のノートパソコンを弄りながら、黒い笑みを浮かべそう言っていた。この時、僕だけでなくクラス全員が怖いのは世の中ではなく南君の方だ、と思っただろう。
と、そんなことを思い出している暇なんてない。勉強に集中しないと。殺センセーがマッハの速度を駆使して、分身を作ってまで勉強を教えてくれている上、自分の体力が削られるのを承知で分身数を日に日に増やしてくれている訳だし。
取り敢えず、僕達E組は殺センセーと南君に勉強を教わりながらテスト当日まで過ごした。
【視点:樹】
おう!自称:嵐の王こと南樹だ。実際は空の王だが、嵐の王の方が響き的にカッコいいから、嵐の王を自称している。
いきなりで悪いが一気に時間軸が跳んで、今日はテスト当日だったりする。しかも、テストしている描写なんて面白くないと思うから、テストの問題をモンスターに見立てたVRMMOっぽい描写で話を進めて行こうと思ってるので、そのつもりでいてくれ!
って、そんな説明をしている間にワニっぽいモンスターならぬ問スターがやって来た。
「うわぁ!来た来た来た来た!!」
「ナイフ1本じゃ殺せねーよ!!どうすんだよ、この問4」
E組の生徒は問スターから逃げ惑う者と立ち向かおうとする者がいる。ってか、何で逃げてんだよ。こいつの解き方なんて俺と殺センセーが教えただろうが……。
そんなことを思いながら、俺は向かってくる問スターに対して空の玉璽で牙を放ち、その身を三枚に卸した。
「お前ら、この程度の問スターにビビり過ぎ。分割して見極めれば、その全体像は大したことの無い小魚だろうが」
現実で俺の言葉が届いている訳じゃないけど、それでも全員が俺と殺センセーの授業を思い出したのか、この問スターをあっさりと解いた。
その後も問5から問10までほぼ全員が問題なく、問スターを解いていった。が、問11の問スターが現れた瞬間、E組の大半が吹き飛ばされ、再起不能となった。
現れた問スターは明らかに本来のテスト範囲から出題されるものではなかったのだ。こいつに立ち向かえるのは俺を除けば真面目に予習をしている奴くらいだろう。
現に生き残っているのは、俺を除けば赤羽、磯貝、片岡さん、神崎さんの4人だけだ。けど、この後も問スターは
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