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英雄は誰がために立つ
Life5  紅の魔王と氷結の魔王
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しちゃった》〜☆」

 扉の爆発後の煙から、何処かで聞いた事のある声だけが聞こえて来た。

 「この声はまさか、お姉さ――――レヴィアタン様ですか!?」
 「その通りだけど今はまだプライベートなんだし、レヴィアたん☆って呼んでほしかったな〜☆ソーナちゃん」

 ソーナの指摘通り、爆発の煙が晴れて来てから現れたのは、レヴィアタンの称号を受け継いでいる源四大魔王の1人である、セラフォルー・レヴィアタンである。
 因みに、ちゃんと魔王の正装を着ていた。

 「如何して士郎君を攻撃するんです!」

 セラフォルーの要望を黙殺して、自身の質問を優先させるソーナ。

 「その質問の答えはちょっと待ってね☆その前にぃ〜」
 「グレイフィア!?グレイフィアは何所に!?」

 今だ士郎のはったりが継続しているようで、サーゼクスだけがパニックに陥っていた。
 正直、威厳の欠片も無く。
 そんなサーゼクスの頭上に、セラフォルーの魔力が圧縮されて、サッカーボール程の氷が形成される。

 パチンッ!

 「うわっ!?」

 セラフォルーが指を鳴らすと同時に、その氷が砕け散り、サーゼクスのの頭に降り注がれた。
 そこで、漸くパニックから抜け出して、落ち着きを少し取り戻していった。

 「セラフォルー!?何時からそこに居たんだい?あ、あと、グレイフィアを知らないかい!?」
 「ついさっきだよ〜☆あと、グレイフィアちゃんについては、彼のはったりだよ☆」

 セラフォルーの指の先に居た士郎は、外套と仮面の下では苦虫を噛み潰していた。

 「な、なんだって!?士郎!幾らなんでも騙すなんて酷いじゃないか!」
 「いやいや、アレに騙されるなんて、サーゼクスちゃんだけだと思うよ?」
 (今の内に・・・・・・・・・って、無理か」

 何とか強行突破をしようとした士郎の進行方向を、氷結の壁で遮るセラフォルー。

 「行かせな〜いよ☆」

 笑顔で邪魔する、黒髪美女魔王様。

 「如何して私の邪魔を?身に覚えがないのですが」
 「身に覚えがない?嘘はいけないよ、士郎君☆」
 「・・・・・・」
 『っっ!?』

 士郎の口にしたあるキーワードにより、少しだけ黒いオーラを纏わせるセラフォルー。
 その現象に、ギャラリー組は過剰に反応する。

 「いえ、本当に何のことなのでしょうか?」

 士郎は一切とぼけて等いない。

 「白を切るのかな?ソーナちゃんに手を出したくせにぃいい!プンプン!」

 あくまでも、魔法少女のようなメルヘンチックに怒っている様だが、眼がまるで笑っていなかった。

 「・・・・・・・・・・・・は?」
 「えぇええ!!?」
 「何だってぇえええええええ!!?」

 
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