Life5 紅の魔王と氷結の魔王
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が不慣れだったため、時折ギャスパーはそんな懇願の悲鳴を訴えていたらしい。
因みに、リアスの眷属として恥ずかしくない様にと、女装では無い服装だ。女装では無い服装だ!
−Interlude−
その頃士郎は、ヴェネラナの私室にて紅茶を淹れていた。
「・・・・・・噂には聞いていましたが、これほどとは思いませんでしたよ、士郎さん。香り、色、何よりこの気持ちを安らぎに誘う味は、我がグレモリー家に仕える者達の誰にも出せないモノです」
「恐悦至極にございます」
紳士の中の紳士の様な振る舞いに、威風堂々とした佇まい。
まるで、王の中の王に使える完璧執事の様な熟練さを思わせる士郎にヴェネラナは、感心しつつも嘆息した。
「士郎さん。もうそろそろ時間でもありますし、今この部屋には私と貴方の2人だけですのよ?貴方の洗練された動きには、称賛を送りつつも名残惜しくありますが、そろそろその他人行儀さを解いて下さらない?」
「・・・・・・・・・判りました。ヴェネラナさんのお言葉に甘えて、楽にさせてもらいます」
ヴェネラナの言葉に、一瞬考えてから瞬時にその提案を了承した士郎は、対面に座った。
何時もの士郎なら、ヴェネラナの提案に対してやんわりと断るが、彼女の意思を否定する事は恥を掻かせるとともに侮辱するも同然だと理解できるので、受け入れた格好だった。
「それにしても、このシュークリームの生地の食感と控えめな甘さのクリームとも合って、私をこうも楽しませてくれるなんて・・・・・・。我が本邸の料理長が唸りながらも悔しそうでしたよ?何所で、これほどの料理の修業をなさったのかしら?」
「企業秘密です」
「あら?女主人である私の言葉が聞けないと?」
「?もう、俺の任は解かれたはずでは?」
士郎はやや皮肉気ではあるモノの、嫌見たらし過ぎない笑みでヴェネラナに言い放った。
それに眼を大きく開き、ぱちくりと開閉をした。
「・・・・・・ウフフフ、そうでしたわね。私としたことが、任を解くタイミングを逸するとは、我ながら抜かりましたわ」
そこから楽しい談笑をする2人。
「――――そろそろですね」
「そうですわね、っと!?」
士郎が立ち上がったので、続いてヴェネラナも立ち上がったが、気が緩んでいたのか、よろけてしまい足を挫いて倒れそうになる。
「大丈夫ですか?」
ヴェネラナをすかさず抱きしめる事で、倒れそうになることを防いだ士郎。
勿論、紳士らしく胸などに手を届かせてはいない。
しかし、抱きしめられたヴェネラナの心中は、決して平常では無かった
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