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リリなのinボクらの太陽サーガ
遺跡編 来訪
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……なるほどそうだったのか、それなら丁度この機会に里帰りするのも良いな」

「故郷……道理でニダヴェリールという名に聞き覚えがあったわけだよ。かつて先代の居た世界なのだから、記憶に残ってて当然だ……」

悲しみのこもった表情でリインフォースがしみじみと呟く。闇の書の禍根は未だに根強いが、それでも彼女達はまだやり直せる場所にいる。それに過ちを悔いるのは構わないが、“過去”ばかり見てないで“今”を見るのも大切だと思う。一度壊滅したその世界が、時を経てどうなったのか、自分の眼で見て確かめるべきだろう。

「すみません! お待たせしました、サバタさん!」

「来たか、ユーノ。出かける前に言っておくが、その世界での用事が増えた」

「え、用事ですか?」

「そうだ。ニダヴェリールはマキナの故郷でな、少し里帰りさせてやりたいんだ」

「あぁ、そのことですか。さっきシスター・シャッハに聞いたので、僕自身はとっくに承諾していますよ。でも別にわざわざ僕に断る必要は無いですよ? 今回は連れて行ってもらう身なのでサバタさん達を止める権利はありませんし、むしろ知り合いが一緒にいてくれて気持ちも楽になりますから」

「そうか。それなら遠慮なく滞在させてもらうか」

元々一人だった旅路に、俺とネロ、更にマキナが加わった事でユーノは少年らしい嬉しさを露わにしていた。いくらジュエルシードの時に責任を感じて一人で対処に当たったユーノでも、その件が気がかりで一人旅は不安だらけだっただろう。次元世界の環境では子供の精神が早熟しやすいようだが、どうもその原因は次元世界の妙な体制にある気がする。必要だったとはいえ子供を前線で戦わせる管理局もそうだが、こっちの政治家はちゃんと仕事しているのか?

政治家でもないのに何故かそんな事を考えていたが、法律とかに興味は一切湧かないので、そっちは放っておく事にする。とりあえず予定通りユーノもラプラスに乗り込んだ事で、俺達は訪れたばかりのミッドチルダをすぐ後にし、闇の書にとっても因果の地であり、元管理外世界で、今は管理世界の一つとなっているニダヴェリールへ向けてラプラスを走らせた。これから彼の世界で起こる事を一切予感することなく……。









第66管理世界ニダヴェリール。11年前の闇の書事件で、世界が半壊する程の被害を受けた先代達の故郷。事件後のゴタゴタで管理局が手を回し、管理外世界から管理世界にされたようだが、被災地の復興のためには事情を知る管理局と接触しなければならない以上、やむを得ない選択だったのだろう。
かつては自然豊かで木々や動物達が生き生きとしていて、人柄も穏やかな人達が各地で集落を作って牧歌的な暮らしを営んでいたのだと、航行中にネロから聞いた。しかしあの事件が起きて壊滅的被害を
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