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リリなのinボクらの太陽サーガ
遺跡編 来訪
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て本当に良いのだろうか……?

一方で俺はかつてリキッドから聞いた、世界の裏で手を引く“例の存在”がこのまま世界経済を妙な方向に走らせてしまうのではないかと懸念した。こっちの地球はほとんどの土地が平和ではあるのだが、まだ一部の地域では戦争が存在している。そして経済が戦争に依存してしまったら……そこには人の心なぞ介在しない、ただ殺し合う事で成立するビジネスしか残らなくなってしまう。そんな戦場に、戦う意味なんてない。


そんな話をしている内にミッドチルダに着き、俺はラプラスをそのまま聖王教会の領地に着陸させる。そこそこ広い芝生の上にゆっくりと接地し、エンジンを停止させると、建物からシャッハと何やら荷物を持ったマキナが出迎えに来てくれた。ちなみにマキナの格好は浅葱色のカーディガンに紺色のスカート、髪型はイメチェンに挑んだのかくるっとしたカール状になっており、普通の少女らしい雰囲気となっていた。それは彼女を施設から助け出した身としては、密かに嬉しく思える。

『いらっしゃい、来てくれてありがとうサバタ様!』

「おいマキナ、“様”はやめろって言ったはずだぞ」

“様”付けで呼ばれると、どうしても彼女を思い出す。マキナは好意でしているのだろうが、そう呼ばれる度に後悔の火が燻ってしまう。それにこの呼び方では距離を感じてしまうから、変える様に頼んでいるのだが……。

『何を仰る、大恩あるサバタ様を呼び捨てにする訳にはいかないよ』

これだからなぁ……。線を引いた所では頑固というか生真面目というか……いや、普段の教育係がシャッハだから、魔法より先に常識や礼儀作法とかを叩き込まれたのかもな。やれやれ、真面目過ぎるというのも考えものだ。

「お待ちしておりました、サバタさん、リインフォースさん。ユーノさんから既にご連絡は頂いております」

内心でぼやいていると教育係(シャッハ)が続ける様に言う。さっきので思う所はあるが、彼女に当たるのは筋違いだし、むしろマキナが真っ当な感性を取り戻しつつあるという意味では感謝すべきなのだろう。なにせ天涯孤独の身の上であるマキナの預かりは、今は聖王教会が担っているのだから。

「……ユーノはもう来ているのか?」

「はい、今は待合室で荷物をまとめていらっしゃるので、すぐに来ますよ」

「そうですか。……マキナも元気そうで何よりだよ」

『でも回復魔法の授業は大変だよ。おかげで頭の方は疲れ気味ですな』

「フッ、なんだかんだで充実した日々を送っているようだ」

「しかし疑問だけど……なぜマキナも旅支度を済ませているのかな?」

『これから皆が行くのは第66管理世界ニダヴェリールだけど、そこは私の生まれ故郷なんだよね。正直に言うと、あんまり覚えてないけどね……』

「生まれ故郷
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