遺跡編 来訪
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ですね、次は予定を合わせてそうします。でも今回のはちょっと特別な要件がありまして……』
「なるほど、そっちが本題か」
『はい。僕達スクライア一族は元々ロストロギアの採掘や遺跡発掘を生業としているんですが、とりわけ僕は遺跡に強い興味がありまして、少し前までジュエルシードを発掘した遺跡の未踏査区域を調査していました』
「そうか、自分の好きな事なら文句が出ないぐらい打ち込めばいいさ。で、要件は何なんだ?」
『実はかねてより調査許可を求めていた遺跡がありまして、先日ようやく認可が下りたんですよ。それで調査に行くために、不躾ながらサバタさんにちょっと協力してもらいたい事があるんです』
「ふむ、大した用事じゃないなら別に構わないぞ?」
『ありがとうございます。その遺跡は第66管理世界ニダヴェリールという場所にあるんですが……管理局からの渡航許可は既にもらってるんですけど、予約がいっぱいなせいで次元航行艦の手配が取れなくて、行く事が出来ないんです』
「つまりタクシーの代わりをして欲しいと」
『身も蓋もない言い方ですが……そうなっちゃいますね。すみません……』
「いや、偶には行った事が無い世界に出かけるのも悪くない。それにとある筋に頼んで地球上を色々探ってみたものの、“奴”はどうやら地球にはいないらしいからな。少しは遠出をしてでも探す必要がある」
『奴……ラタトスクですか。アイツにはジュエルシードの輸送船を襲われた件で僕も借りがありますからね、まだ見つからないんですか?』
「ああ、ラジエルもアースラも注意深く探しているものの、今の所成果が無い。ラタトスクは策士だから放っておいたら何をしでかすかわからん、故にさっさと見つけたい所だが……面倒な事に上手く雲隠れしているようだ」
『下手したらまたヴァナルガンドを呼び出しそうですからね……』
「……そうだな」
ヴァナルガンドは今も虚数空間で“彼女”が抑えてくれているとは思うが、彼女自身の意思とはいえ、俺のせいでそれを強いてしまった後悔がある。それに報いるためにも、ラタトスクは早く浄化したい。奴が存在し続ける限り、心にしこりが残ってしまうからな……。
「ラタトスクの件はともかく、送り届けるだけなら全く問題ない。何なら今から行こうか?」
『え、いいんですか?』
「遠慮する事は無い。とりあえず合流場所はミッドの聖王教会領地で構わないな?」
『聖王教会領地ですね、わかりました。じゃあ先に行ってそこで待ってますね』
その言葉を最後にプツンっとユーノとの通信を切る。するといきなり背中に女性一人分の重みが圧し掛かり、首元に手が回って来た。
「兄様、また出かけるのでしょうか……?」
「別に心配する事は無いぞ、ネロ。少し出かけ
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