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リリなのinボクらの太陽サーガ
遺跡編 来訪
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…?

そういう幻想的な光が背後に広がる中、俺達をここまで誘導した少女は徐に足を止めて、こちらと相対する。何かに諦めているような力の無い眼で、彼女は言葉を紡ぎ出した。

「調査団の方々、ニダヴェリールへようこそ。私はシャロン、アクーナで合流予定だった道案内よ」

「フッ、わざわざ地元から出張してくれたという事か。それならクリアカンで……いや、空港で合流した方が手間が省けたんじゃないか?」

「合流する前に見極めたかった……これから来る者達がどういう存在か。来たばかりなら化けの皮も被ってないだろうと思って実行した。でもあの位置から私を見つけられる者が二人もいたのは驚いた。特に片方はね……」

二人? 一人は俺だとして、もう一人は……。

『やけに視線を感じると思ったら、空港であなたの姿を見つけたよ。それとやっぱりサバタ様も気付いていたんだ』

「マキナ……気付いていたんなら私にも教えてほしかったよ」

「サバタさんの方はもう納得してるけど、さりげなくマキナも眼は良いんだったね……」

そういやマキナは元狙撃手だったせいか、静止視力が鋭いんだったな。ついでに言うとなのはが鋭いのは動体視力の方である。

「あなた方に会いにここまで来た理由は他にもある。正規ルートでは余計な時間がかかる。だからアクーナへの近道も案内するつもり」

「近道……?」

「そう、そこは管理局も把握していない。私達だけが知る抜け道……」

「そんな便利な道があるなら、どうして管理局に伝えないんですか? クリアカンとアクーナが行き来しやすくなったら、アクーナの経済も活性化するんじゃ……?」

「アクーナの民はそんなものを求めていない。あの“大破壊”の経験から、私達は外界との接触を可能な限り避けるようになった。世界の管理とか、法的治安とか、そういうのはどうでも良い。ただ穏やかに暮らせればいいの」

『なるほどね……ところで“大破壊”って11年前の……?』

「…………」

返答の代わりにシャロンは無言で頷く。ところで彼女のマキナを見る目は、俺達に向ける物と比べて特別な感じがしている。もしや彼女は……?

ああ、それと彼女がクリアカンで合流しなかった裏の理由も今のではっきりした。アクーナの民はいわゆる世間と隔絶した生き方をしている集落だ。だからニダヴェリールの次元世界への窓口とも言えるクリアカンに長居したくなかったのだろう。故に俺達を人気のない場所まで誘導した訳だ。

「ここから行けばアクーナまで正規ルートより短い時間で着く。付いて来て」

「付いて来てって……まさか崖から飛び降りるのかい? それは流石の私もちょっと勘弁してもらいたいな……」

「全然違う。良いから見てて」

ネロの不安を一瞬で足蹴にし、シャロ
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