世界の夜明け前
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最早、体から痛みは消えていた。
立ち上がろうとするが体に力が入らないし、目も霞んできた。
裕「死んだ、か」
「う????ぐっ」
肩で息をしている
諦めていたが、あの言葉を思い出した。
安心感のある。あの兄さんの声が????
裕「ごほっ???」
裕海も想像以上のダメージを受けている様だった。
外傷は目立たないがかなり俺からの攻撃を浴びていた筈。
「う???うぅ」
切りかけの足力を入れ、抉れた腕に力を入れる。
傷口からは今もなお、血が流れていた。それでも構わず立ち上がり、再び裕海と対峙した。
「第二ラウンドだぜ???!裕海???」
裕「すぐにケリをつけてやる」
裕海は変形葉を握り直して、睨み付ける。
俺は拳を握り、身構えた。
先に動いたのは裕海だった。
裕「死ね」
そう言って刀を振った。
俺はそれの行動を読み、刀を紙一重でかわした。
すると俺がカウンターを入れる隙も与えぬまま、裕海は神速で乱れ斬りを放った。
俺は刀の一振り一振りを丁寧に避けていく。
「当ててみろ、どうした?これだけ攻撃しているのに一つも当たらないぞ?」
裕海はかなり焦っているように見えた。
「ここだ!」
刀の乱舞を掻い潜り、裕海の腹に一発ブチ込んだ。
裕海の乱れ斬りは止み、そこへ間髪入れず眉間にストレートを入れた。
裕海は後ろに飛び、俺から距離を取った
「今のは効いただろ?」
裕海を見ると、裕海は目を剥き俺に飛びかかってきた。
刀で斬ってくると予想し避けた。お返しに頬を殴った。それと同時裕海の追撃が来た。刀の棟で蟀谷を殴られた。
両者とも地面に倒れた。
だが二人は立ち上がった。両者、立ち上がっている事が不思議な位の傷を負っているというのに。
「うおぉぉぉぉぉぉ!」
裕「ぬぁぁぁぁぁぁぁ!」
裕海も俺も大声を出して自分を意地でも立たせた。
自分が立っているという感覚も無い。生きている感覚も無い。
裕海は刀を握りしめ、俺に向かって走ってきた。
俺は身構えて、裕海が来るのをじっと待った。
裕海が俺に向け刀を振るおうとした瞬間。
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神無side
ネクロを倒した私達は奧へと進んで行く。
そこには、菜々と鬼隆が立っていた。
羽「鬼隆さん???」
羽佐間は申し訳無さそうに下を向く
鬼「いいんだ、分かってる。俺も正直悩んでいた」
鬼隆は仮面を外し、微笑んだ。
羽「じゃあ、鬼隆さんも!?」
鬼「あぁ、この女の呪縛から解けたんだ」
そう言って、鬼隆が指を指す。
「この人は?」
そこには目から希望を失い、人ではなく、ただそこに有る“物”のようにぐったりと座り込んでいる一人の少女が居た。
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