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極短編集
短編86「ブルーリボン」
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んでいた。
 お別れ会の最後。僕はクラスの代表で、一人であの子にプレゼントを手渡した。プレゼントを渡したあと、僕は後ろポケットに入れた手紙をと思っていたら……

「はい、これ私からのプレゼント!」

 あの子は、スカートのポケットから何かを取り出して、僕の手のひらに乗せた。クラスのみんなが見守る中、僕が手のひらを開けると……

「ちゃんと結べるようになってね!」

 クラスのみんなが、ドッと笑った。
 僕の手のひらには、あの子が結んで作った、青いリボンがあった。結局……

 手紙は渡しそびれてしまった。先生に話したら……

「送ればいいわ」

 と、言った。

◇◇◇

 手紙の内容は、こんな感じだったと思う。

『引っ越しって聞いて、すごくビックリしたよ。いなくなるのは、すごく寂しいよ。学級委員になってくれた時、とっても嬉しかったよ』

 後日、あの子から手紙が来た。

『お手紙ありがとう。ずっと一緒に学級委員が出来ると思ってたけど、急にバイバイになってとても悲しかったです。でも、自分の気持ちが伝えられたから良かったかな。私ね、1年生の時から好きだったんだよ』

 こんな内容だったかな?
 あの子にもらった手紙とリボンは、大切に机の奥にしまた。そしてそれは次の、少し大人になった恋までの……



 宝物になっていたのだった。

おしまい

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