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オズのベッツイ
第十幕その六

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「海のある国から輸入しているの」
「それで、ですか」
「私もイカ墨のスパゲティを食べていてね」
 そして、というのです。
「大好物なのよ」
「だからですか」
「そう、イカ墨のスパゲティも美味しいわよね」
「そうですよね、確かに」
「皆で食べましょう」
 そのイカ墨のスパゲティもというのです。
「凄く美味しいから」
「烏賊は中国でも食べるけれど」
 その中国人の神宝が言うことはといいますと。
「ただ、ね」
「墨はなのね」
「はい、食べるとは聞いてないです」
 神宝はこうアンに答えました。
「あまり」
「アメリカも。うちの国はそれこそ色々な国から人が来ているけれど」
 アメリカ人のジョージも言うのでした。
「墨はなかったね、イタリア系の人達の間でだけだったのかな」
「ロシアには全くなかったわ」
 ナターシャのお国はこうでした。
「というか烏賊自体食べなかったわ」
「ううん、墨なんてね」
「凄く変わってるわね」
「多分ね、アメリカの場合はね」
 そのアメリカからオズの国に来たベッツイが言うにはです。
「ずっとイタリア系の人達の間でだけ食べられていて」
「アメリカ全体に広まったのは最近ですね」
「多分そうよ」
「ううん、そうなんですね」
 ジョージはベッツイの説明に考える顔で頷きました。
「アメリカにあっても」
「広まらないとね」
「僕達も知らないんですね」
「そうだと思うわ」
 ベッツイはこうジョージにお話してです、今度は神宝に言いました。
「けれどね」
「あっ、僕ですか」
「ええ、中国ではかなりのものを食べるわよね」
「はい、本当に」
「海のものは船以外は食べるって聞いたけれど」
「それで烏賊もです」
 烏賊自体は食べるのです、中国でも。
「美味しく食べます」
「そうよね、けれどなのね」
「墨はなかったですね、多分」
「そうなのね」
「鮫も鰭は食べますけれど他の部分はあまり、ですし」
 神宝はベッツイにこのこともお話しました。
「ですから」
「そうなのね」
「はい、墨はでしたね」
「イカ墨をお料理に使う国は少ないのね」
「そう思います」
 神宝はベッツイに答えました。
「日本は食べてたと思いますけれど」
「そういえば何処かで」
 日本人の恵理香が神宝のその問いに答えます。
「食べていたかしら」
「何か日本人って海の幸は何でも食べるね」
 カルロスが恵理香に言ってきました、皆既に食べはじめています。それぞれのフォークやスプーンで様々なパスタをそれぞれ楽しんでいます。
「本当に」
「そうよね、それでね」
「イカ墨もなんだ」
「多分だけれど」
 それでもというのでした。
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