第六話「禁断の言葉」
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シフト』でもあんなことはできない。彼の晶術と言う技の一つであろうあの『ブラックホール』は暴走体を蹂躙して引きちぎるようにして押し潰したのだ。圧倒的な破壊力に広大すぎる攻撃範囲...あわや自分も巻き込まれそうになったと錯覚するほどの大迫力。フェイトが知る限りあんな魔法は古今東西どこにもない。無論晶術は魔法とは違うらしいがー
「フェイト!」
アルフがぼんやりしていた彼女を呼んだ。
「逃げるよ!ジュエルシードはもう回収した!」
ハッと現実に引き戻された。そうだ、逃げなくては。今自分は追われている身だ。
「リオンさん!」
帰ったらちゃんと謝らなくちゃ、そう思って彼を呼んだ...が
「・・・・・」
「リオン...さん?」
彼は応じなかった。一陣の風が吹いた。
彼は風に逆らわなかった。同時に彼の作った足場も消えた。水しぶきがあがった。
「リオンさん!」
「だめだよフェイト!もう奴らも来てる!」
「でも!」
リオンは眼を閉じたまま海中に沈んでいった。
「大丈夫だよアイツなら...だから行くよ!」
既にアルフは転移の術式をくみ上げていた。バルディッシュはリオンとの念話が終わった後きっと自分の主は冷静ではいられないだろうと考えてアルフにこう指示していた。
全速力でここを退避しなくてはならない、と。
なのははさっきからフェイトに「待って」と言っていたがおそらく聞こえてはいまい。
フェイトは沈んで行くリオンに届かない手を伸ばした格好のまま虚空へ消えていった...
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