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貴方の背中に、I LOVE YOU(前編)
貴方の背中に、I LOVE YOU  (前編)
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は初めてだったし、その日、澄子は朝食も食べて無く、空腹だった。澄子は、静のキャラ弁を全て食べてしまった。澄子は、静子の食べ分が無い事に気が付いた。「ごめん・ごめん」澄子は謝った。「大丈夫よ」と静は、優しく微笑んだ。「私、静ちゃんのお弁当の夢、何時も見たよ、本当に美味しかった、静ちゃん有難う」と、澄子は言った。「澄ちゃん、鼻の頭にケチャップが付いているよ!」と言い、二人は笑いこけた。澄子の家は、両親(武井六郎・七子)と澄子の双子の兄(安造)と四歳年下の妹(桃子)の五人家族である事や、家が貧乏で、毎日の弁当も二人分は作れず、兄と交互に持って行く事も聞いた。兄の安造(やすぞう)とは同学年でもクラスは別々だった。それ以来、三人は何時も校庭で、キャラ弁とタクワン付の白い握飯一つを分け合って食べる様になり、静と澄子と安造は大の親友になった。
四月も後半に入り、朝子とタキは静の行動が、気掛かりになっていた。以前は、少し食べ残しが有った静のキャラ弁が、最近は完食、弁当箱には、食粕の一片すら無かった。それにも増して静は帰宅すると即、「お腹空いた」言い、おやつを要求した。朝子とタキは、静が食べ盛りと考え、キャラ弁を大きくしたが、結果は同じだった。朝子とタキは不審に思い、タキが学校に出向いた。担任の教師に面会して、三人で、弁当を食べ合っている事実を知った。朝子とタキは、静に澄子と安造を家に招待する様に促した。そして、キャラ弁の数を二つ増やし、三人分にする事も約束した。静は飛び上がって喜んだ。武井兄妹の家は、静の家とは同じ学区でも、学校を起点として、左右反対方向だったので、子供の足では距離が有った。毎日、静のキャラ弁は静が持ち、澄子と安造のキャラ弁は、黒君と白ちゃんが背中に括り付け、校門で澄子と安造に渡す様になった。翌日、澄子と安造が妹の桃子を連れて遊びに来た。三人とも、痩せ細っていた。桃子はダウン症で、未だオムツが取れない状態だった。庭を遊び回って、暫くすると澄子と安造は、桃子のオムツを、持参したオムツとの交換に入った。静は始めて見る光景に、目を丸くしていた。だが、一か月後には、静も桃子のオムツの交換に、参加する様に成っていた。三人はタキの手解き受け、桃子のオムツの洗濯もする様にも成った。静は、幼い頃の自分の古着を、持ち出してきた。澄子と二人で、桃子に何回も着せ替えを始めた。静には桃子の着せ替えが、お人形さんを世話している様に思えた。静の赤子の時以来、久しぶりに田村家の庭に、オムツの洗濯物が風に舞った。同時に義衛門も、子供の遊具を買い揃えたりして、田村家の日本庭園が、天使の庭に変貌していった。時を待たずして、武井兄妹の母親の七子が、貧祖な衣服で田村家に尋ねてきた。七子は、自分の子供達が田村家に、迷惑を掛けているのでは?と心配だった。朝子は「静も大変喜んでいるので、大丈夫です」と
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