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貴方の背中に、I LOVE YOU(前編)
貴方の背中に、I LOVE YOU  (前編)
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兵役が終わりました。サトさん、僕と結婚してアメリカに行って下さい」と言われ、私は嬉しさで泣きました。日本の小さな教会で結婚式を挙げ、アメリカに来ました。二人で話し合って、自分達の子供を創らない事を、神に誓いました。今でも、私達は、大旦那様と若旦那様の事を、尊敬しております。今、サトは家族に囲まれ、幸せです。日本に帰ったら、若奥様と平君に会いたいです]と書かれて居た。静は以前から、サトの消息が分からない事が、気掛かりだったので、手紙を読んで心を撫で下ろした。
若干の備蓄が出来たので、静は、義衛門夫婦と愛犬まつが入った骨壺を、合祀の墓に納骨したいと考えた。良枝に「合祀の墓に行って来るから、二日休みを欲しい」と願い出たら、良枝は例の如く、難色を示した。武志は「行って来たら」と、以外にも静に、助け舟を出した。武志は、何時も静の土蔵に行くと、骨壺が置いて有るので、薄気味悪く感じていたのだ。翌日の午後に、静と平は合祀の墓に着いた。蝉の鳴き声が、響いていた。久しぶりの墓参りであった。寺の本堂に行き、声を掛けた。奥から若い坊さんが出てきた。静は「御住職は?」と聞いたら、「今は、私が住職です。先代は昨年、亡くなりました」と、答え「先代は、仏門の身で有りながら、義衛門さんの考えに共鳴し、合祀の墓に入っています。若しかして・・・、田村さんですか?」と、言った。静は「はい、義衛門の娘です」と、答えた。静は、住職までもが、合祀の墓に入って居る事に驚いた。二人は若住職と共に合祀の墓の前に立った。静は、又もや驚いた。合祀の墓は墓石こそ、前の侭で有ったが、墓誌と納骨洞は増え、周りの池も拡張されて居た。墓石の正面を見ると、そこには 人間も動物も同じ命だ と彫られ、脇に田村義衛門建立の文字が、小文字で並べて彫られていた。傍にいた若住職に、静は「住職自身が、拡張したのですか?」訊ねたら「戦後、間も無く、武井安造さんと言う方が、二つの遺骨を持って来られ、納骨を済ませました。二三年前、再度、お見えに成り[私の負担で合祀の墓を拡張したい]と申出が有りました。先代の住職は、納骨洞も手狭に成ったので、申出を受け入れ、現在の拡張した形に成りました」と、若住職は答え「その方が、お持ちに成った遺骨の俗名も、先代の住職の俗名も、墓誌に刻んで有ります」と、言った。静が墓誌を見ると、住職の名前の他に、武井六郎・武井七子と、言う名前が有った。安ちゃんが、納骨に来たのだ。生きて居たのだと、咄嗟に思った。義衛門夫婦と愛犬まつが入った骨壺を、納骨し終え、静と平と若住職は墓前で合掌・礼拝したが、若住職の読経は無かった。「最近は合祀の墓の噂は、関東一円まで広がり、この寺も有名に成りました。納骨を希望される方は、年に数百骨です。夏場は、蛍を見に来る方だけの方も、大勢います。今日も、ソロソロ、お見えに成ると思います。田村さんも時間
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