番外編3。とある妹の内心
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2010年?月?日?時?分。
「こんにちは、お姉さん」
突然かけられたその言葉に、世界は凍りつきました。
いえ正確には凍りついたのは私だけで世界はいつも通りのままで、変わらない刻を進んでいた事でしょう。
しかし、何も知らなかった私は、突然背後から声をかけられて、びっくりして慌てて背後を振り向いてしまいました。
振り向いた先、1メートルも離れていない距離には、大きな白い帽子を目深に被った白いワンピース姿の女の子が立っていました。
同時に、何処か甘い、花のような香りもしてきます。
「私はヤシロだよ、お姉さん」
ヤシロと名乗ったその女の子は7、8歳くらいの女の子でした。
「こんにちは、ヤシロさん。私は理亜です」
「うん、よろしくね、理亜お姉さん」
クスクス笑いながら自己紹介をするヤシロさんに私は何処か不気味さを感じてしまいました。
小さな女の子に対して、不気味に思うなんてとっても失礼な行為で、そんな行為をしたのが兄さんならお説教コースですが、何故か目の前の少女に関しては不気味としか言い現せられませんでした。
「はい、これ。お姉さんのDフォン」
そんな失礼な事を思っていると、目の前の女の子は両手を掬い上げるような形をして『何か』を差し出してきました。
よく見てみると、女の子の手の平には、漆黒の携帯電話が乗っていました。
「私の?」
それは見覚えのない、黒い不思議な光沢を持った、デザインのいい携帯電話でした。
艶やかな表面を見ていると吸い寄せられるような気分になってきます。
「そう。お姉さんのDフォン」
「ディー、フォン?」
聞きなれないその言葉に、思わず聞き返してしまいました。
なんとなく、その携帯を受け取ってはいけないような、気味の悪さみたいなものを感じていたからです。
「運命を導く為の、そして、運命から身を守る為のお姉さんだけの端末。だから持っていた方がいいよ。
特にお姉さんみたいな才能のある人はね?」
運命という言葉は先ほど水泳の時間にアリサさんが言っていた言葉でしたが、こんな短時間で再び聞く事になるなんて思いもしませんでした。
なにより、私が気になったのは……。
「才能ですか?」
「うん。お姉さんがどうして触られそうになると体が避けちゃうかって解る?」
「単に、潔癖症の延長による癖だと思ってましたが」
「お姉さんはね、普通の人がおいそれと触っていいモノではないの。
人の体は不浄だから、お姉さんに触る事を許可されていないというわけ」
私の体が不浄を受け付けない?
確かに人に触れられるのは嫌ですが……それが何で許可しないと触れないモノになってしまったのでしょう?
私には身に覚えがありません。
「……いつの間
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