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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十四幕 「残影乱舞」
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してるでしょ!?ぜーったいにぶっ飛ばす!!」
「あっはははは!凄い凄い!今のユウちゃんからは今まで以上の執着を感じるなぁ!……ひょっとして私のお尻も触りたかったり?やだ、マセてるんだからぁ♪」
「………捕まえたら織斑先生にお尻百叩きをお願いすることにしたよ!たった今ッ!!」
「照れるな照れるな♪ ――まぁでも、今のユウちゃんには無理だね」
その、瞬間。
「ユウ、駄目ッ!!避け――」
ドガガガガガガガガガガガガガガガッ!!と、眩い光と内蔵を抉るような衝撃がユウを襲った。
「が、はぁ………っ!?」
何が起きたのかを、一瞬理解できなかった。遅れて自分の身体に展開されたシールドバリアに弾丸が衝突している事、発砲されたこと、そしてあの閃光はマズルフラッシュであったことを知った。だからこそ、ユウには信じられない。
どこから、いつ、どうやって、何を発砲したのかが、『全く見えなかった』。
視界が悪いと言ってもクロスレンジだ。正面からの殴り合いで、相手の動きに全く読み切れない部分は存在しなかった。正真正銘、正面から一対一で戦っていたから仲間もいなかった筈だ。両手、両足、マフラー。そのどこにも射撃武器は含まれていなかった。
――なら、あの弾丸はどこから?
BTや非固定浮遊部位はあり得ない。PICの反応でばれる筈だ。設置砲台もあり得ない。あれはかなり至近距離から叩きこまれたものだ。なら、ステルスに特化した僚機が存在――?それこそあり得ない。ISクラスの存在が動き回れば馬鹿でも気配に気づく。
分からない。あの銃弾がどこから飛来したのかが。
「名付けて
不可視の嵐
(
サドン・テンペスト
)
………からの、もう一丁ぉッ!!」
弾丸の衝撃で動けないユウに、雷陰は空中で体を回し、踵からどてっ腹へ猛烈な蹴りを繰り出した。
めきり、と体が軋み、骨と筋肉が悲鳴を上げた。
「グッ……がぁぁぁァァッ!!?」
「ユウッ!!」
宙を舞う体、大きく削られたバリアエネルギー。そしてここに至って判明した「見えない銃撃」。
吹き飛んだからだを簪が受け止める。助けられて体を起こしながらユウは未だ煙幕に包まれた虚空を睨みつけた。
(原理の分からない攻撃………そんなもの、どうやって対処しろって言うんだ)
予測不能。工程不能。発射の予兆もなければ弾道さえ読めない銃弾を回避する方法など、ある訳がないではないか。
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