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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
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「これは……?」

「オメェさんに似合った武器じゃ。ま、使うか使わんかはわしの知ったことじゃないがの」

またもや鼻息を吐き出し、もといた椅子に座り直した小人は、もはや何も言わなかった。時折かくかくと首が前後に揺れるだけで、身動きすらしない。死んでるんじゃないだろうな。

設定された会話プリセットを終了したということだろうか。それにしては特定のプレイヤーに肩入れしすぎな気がしなくもない。それほどにこのドワーフの会話に違和感はなかった。

この感じは、もうNPCというよりも人工知能(AI)に近いのではないのか、

「おー、それコーケンじゃん」

「あ、ホントだ」

「こ、コーケンってなに?」

眉根を寄せる少女にニッと笑いかけ、リラは空中に指で文字を描く。

「光の剣、って書いて光剣。正式名は確か…………何だっけミナ」

「《フォトンソード》だね。だけどみんなレーザーブレードとか、ビームサーベルとか適当に呼んでるよ」

「ていうことは、それって剣なの?でもGGOってFPSなんじゃ……」

ユウキの手の内にある二つの金属棒――――光剣を指さすレンに、リラは澄まし顔で肩をすくめた。

「銃剣だって立派な剣よ。くっついてるのが銃口ってだけ。なら生粋のレーザーソードの一つや二つあってもおかしくないでしょ。世界観が世界観だし」

GGOは、最終戦争後の荒れ果てた遠い未来の地球という世界観設定で成り立っている。銃器にもレーザーガンというカテゴリがあるので、その延長線上にレーザーソードがあっても別段違和感はない。

納得するレンの隣で、少女はまるでトランペットを見る少年みたいなキラキラした目でその金属棒をためすすがめつしていた。

とりあえず二つのうち一つは床に置き、残ったひと振りを右手でしっかり握り直す。親指を動かしてスイッチを入れると、ヴゥンという低い振動音とともに、紫がかったエネルギーの刃が一メートル強ほど伸長して周囲を照らし出した。

「ほわぁ……」

ヴォン、ヴン、と軽く手首を振り、その度に感嘆の声を上げるユウキは、たぶんもうこちらの声など聞こえないだろう。

感動に浸る従姉に苦笑しながら、レンはまじまじとその刀身を眺めた。

実体のある刀などの刃と違い、方向性はない。円形断面の細長い筒のようなものだった。全体的にどこか、コンサート会場などで観客側がブン回すケミカルライトのでっかいバージョンのようにも見える。

「すごいねーこれ。当たり前だけど、ホントにかっるいかっるい」

「ま、まぁ、せいぜい軽いぐらいしかメリットない武器だから。値段も結構張るし、使ってる人は少ないんだ」

確かに、レーザーというくらいなのだから刀身部分が光子で構成されている訳で、当然そこに重量
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