第二章 賢者の石
第十話 動物園
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に落ちる。あまりの出来事に太った少年とその家族たちは慌て、側にいる大蛇に対して悲鳴を上げた。
その不可解な現象をエメは呆然と見詰め、その後横の少年に気づき、そういえばコイツも魔法使いだったなと現状に納得する。
マグルの分際で魔法使いの怒りを誘うからこうなるのだ。完全に自業自得である。
大蛇は素早くケースから外へと出ると、魔法使いの少年の方に顔を向けた。
『シャー(俺はブラジルへ行くよ。ありがとうよ、アミーゴ)』
大蛇がケージから逃げ出したことに気付いた客たちは悲鳴を上げ、我先にと出口へと殺到していた。蛇もまた同じ方向へと向かっているので、結果として館内は更なるパニックへと陥ってしまったが。
それからが大変だった。
騒ぎを聞きつけた園長自身が直接やってきて、ひたすら謝った。
他の客の怒りはもっともだが、それを煽るように太った少年が淹れられた紅茶やお菓子に目もくれず、興奮した状態で訳のわからないことを口走っていた。曰く、蛇が首に巻きついてきて絞め殺されそうになっただの、蛇に足をへし折られそうになっただの等云々。
意味の分からん言いがかりを付けられて謝り続けている園長を哀れに思うエメ達。
結局、太った少年の父親が怒り狂って言葉にならない声で怒鳴り散らした後帰って行ったのを見て、他の客達も次々に帰り始める。
それに合わせてエメ達も家に帰ることにした。
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